宅ふぁいる便にてコラム連載第二回目が掲載されました
メルマガ会員数310万人以上、著名人インタビューなど連載企画など読み物サイトを10年以上も運営している「宅ふぁいる便」。無料で大容量のファイルを転送できる便利なサービスなので、ご利用されている方も多いのではないのでしょうか。「宅ふぁいる便」の運営会社の株式会社オージス総研からお声をかけて頂き、12月からコラムの連載を担当させて頂いております。
第一回連載の記事はこちらから→ → <<イタリア発、美食通信」コラム連載がスタート!>>
その第2回が3月8日にサイトにアップされたのですが、それを見てまたびっくり。前回は演出家であり女優・常盤貴子さんの旦那様である長塚圭史氏の下に紹介されていましたが、今回は個性派俳優の古田新太さんの下でご紹介して頂いております。
今回は春のネタ「イタリアの花見&ピクニック事情 」
「宅ふぁいる便」の「SAKEto(酒と)」というコーナーにて「イタリア発、美食通信」というタイトルで書いていますが、今回は2015年のイタリア・ワイン事情のほか、イタリアの花見やピクニック事情についても書いています。これから日本でも花見・ピクニックシーズンを迎えますので、その参考になる「イタリア流バーベキュー」についても書いていますので、どうぞこちらもご覧くださいませ。
ブログ同様、私がイタリアで撮影している写真も沢山ご紹介しています。このブログ・サイト内でも右側に宅ふぁいる便のアイコンを常時掲載していますので、そちらからもコラムを読むことができます。ブログとあわせて、「イタリア発、美食通信」のコラム連載もどうぞよろしくお願いいたします!
フィレンツェ発、美食通信 vol.2 by 小林真子
Buongiorno(ブオンジョルノ=こんにちは)!
先月、フィレンツェでChianti Loversというキャンティワインの試飲イベントに行ってきました。生産者115社が一同に集まるというワイン好きにはたまらない大試飲会。
まだ完成していない2015年ワインのお披露目もあったのですが、既に美味しかったです!ここ数年で出来の良かった2012年以来の素晴らしいワインになることが予想されていて、生産者たちも自信満々。「最高の出来になるよ」と太鼓判を押していました。2015年製のイタリア・ワイン、今から注目ですよ!
日本では、勤務時間内のアルコールはNGとされていますが、イタリアではお昼休みにランチでワインを飲むことに眉をひそめる人はいませんし、食後のコーヒーにグラッパ(ワインの蒸留酒)などお酒を入れて飲むcaffe corretto(カフェ・コレット)などもよく飲んでいます。イタリアでカフェ・コレットを注文したい時は、「un caffe corretto alla grappa.=ウン・カフェ・コレット・アッラ・グラッパ」(グラッパ入りのカフェ・コレット1杯)などと入れたいお酒を伝えます。
ランチ時にワインを飲むといっても、イタリア人が昼間から酔っぱらっているのをほとんど見たことがありません。ピクニックでも夜でも同様です。イタリアではアルコールが法律で飲める年齢は18歳からですが、酔っぱらって大騒ぎをしているイタリア人の若者もフィレンツェの街中ではあまり見かけません。とてもお酒のマナーがいいイタリア人。それを考えると、東京では、路上や酒場で千鳥足の酔っ払い日本人のなんと多かったことか。
イタリア人になぜフィレンツェで酔っ払いが少ないのか聞いたことがあるのですが、その時の回答はこちら。「想像するに東京のような都会は仕事などでストレスが多いから、それをお酒で発散させようとしてつい飲み過ぎるんじゃない?ロンドンがそうだった。フィレンツェのように穏やかなところでは、普段から仕事もほどほどだから、お酒で発散させるようなストレスも無いしね。」
イタリアではワインなどのお酒は「ストレス発散のためではなく、気の置けない仲間たちと一緒に【楽しむ】もの」。世界一ナンパが上手などというイメージが持たれているイタリア人は、人付き合いだけでなくお酒とのつきあいもまた上手なのでした。
今年は私の住んでいるフィレンツェは暖冬で、厳しい寒さの日はほんの数日だけでした。そのため、例年より夜でも人出が多く、なんとなく明るい雰囲気の冬だった気がします。
イタリアを訪れるならいつの季節がいいか、と時々聞かれることがありますが、日本と同様に考えて頂いたらいいと思います。日本のように四季があるイタリアです。今年は暖冬ですが、通常冬は寒いですし、夏は暑いです。特にフィレンツェは盆地なので、夏は湿度も高く、昨年は猛暑にも見舞われ中心地でも40度近く気温が上がりました。春(4月~7月上旬)と秋(9月中旬~11月)が気候的に過ごしやすく、またこの時期はサマータイムになるため夜も9時頃まで明るくて、夜の散歩まで気持ちよく楽しめます。
逆にイタリア人にとって、日本に一番訪れたい時期は「桜の時期」だそうです。桜の満開時に日本を訪れたイタリア人の友人たちは、その美しさに感動したと口をそろえて言いますし、日本の満開の桜の写真はSNSなどを通じてイタリアでも目の当たりにする機会が多いため、一目見てみたいのだとか。
昨年の4月、イタリアの新聞で、日本好きのイタリア人が日本人の風習を真似してローマで「花見」を催したという記事を読みました。浴衣を着たイタリア人の女性たちが何グループも集まって、桜の木の下でピクニックをしているというものでした。記事を読んだイタリア人たちは、「なぜ花を見ながら?」と不思議がっていましたが、それというのもイタリアには「花見」という習慣はありません。
「満開時期を迎えた花を見に行く」「公園などでピクニック」と、花の鑑賞とピクニックはイタリア人もよく行います。ただ、日本のように「桜が咲いたから、そこで宴会」という発想はありません。花見はしないものの、日本人以上にイタリア人はピクニックが大好きです。イタリア人のピクニック術、日本人にも真似できるアイデアがありますよ。
フィレンツェは自然が美しい丘に囲まれています。友人たちの中には、田舎が大好きで、森の中の広々とした庭つきの家に住んでいるイタリア人たちがいます。職場から車で片道30分~1時間かけてでも、大自然の中で暮らしたいという若者もちらほらいます。
田舎の家にはバーベキューコンロやピザ窯が備わっていて、庭でピクニックを開くこともあるのですが、ピクニックにも様々なタイプがあります。
各自が持ち運び可能の大皿料理などを持ち寄って、庭や公園などにレジャーシートや織物を敷いて寝転んだり、公園のテーブルでランチを楽しんだり。特に暑い夏は、高台の涼しい丘にある森へ出かけて涼みながらピクニックをします。イタリア人の夏といえば海というイメージが強く、また実際にもそうなのですが、避暑のために涼しい山へ出かけて、木陰でピクニックというのも一般的です。
自宅で行うピクニックでは、「ピザ」ピクニックがいかにもイタリア流。ピザ生地、モッツァレラチーズ、トマトソースを揃え、あとは様々なトッピングを用意します。
ピザ窯がある家ではもちろんピザ窯を使い、好きなトッピングを思い思いに載せ、自分好みのピザを焼くことができるので、作る工程もこれまた楽しい。
熱々の出来立てピザを燦々と輝く太陽の元で食べるのはまた格別の美味しさです。日本の家庭ではピザ釜がないですが、オーブンで代用できますよ。ピザピクニックは子供も大喜び!
バーベキューピクニックは、日本とはずいぶん勝手が違います。今年のバーベキューは趣向を変えて、イタリア流バーベキューに挑戦してみてはいかがでしょうか?バーベキューの幹事さん、「今年はちょっと違うね!」と仲間たちから一目置かれること、間違いなしです。イタリア流にするには4つの法則に従うだけ。
イタリア流バーベキュー4つの法則
- 飲み物はワインが必須
- お肉を焼いている間につまむプロシュート(生ハム)やチーズの盛り合わせの前菜を用意
- お肉は大きな塊のまま豪快に炭火焼し
- 手作りデザートで楽しく終了
イタリアで一番飲まれるアルコールは日本人がイメージする通りワインです。全てのピクニックに共通して飲み物と言えばワインが登場します。バーベキューピクニックはメインがお肉になりますので、赤ワインが必須です。
お肉を焼く準備をしている間に楽しむ「前菜」にはイタリアらしく生ハムやチーズが用意されます。生ハムもチーズも持ち運びも楽で、並べるだけですぐに食べられて便利。
日本と最も違うのがメインのお肉調理です。日本のように細かく切ったお肉を少しずつ焼くのとは違い、豪快に大きなお肉を塊のまま焼くのがポイントです。味付けは塩・コショウのみ、またはローズマリーを加えるだけの究極シンプル。お肉の種類は基本的に、サルシッチャ(ソーセージ)、豚のスペアリブ、そしてトスカーナならキアニーナ牛のビステッカ(Tボーンステーキ)。
焼きあがった大きなお肉の塊には「お~!」と歓声があがり盛り上がりますよ。
「Per il dolce c’e’ un altro stomaco(ペル・イル・ドルチェ・チェ・ウン・アルトロ・ストマコ=デザートは別腹」という言葉もあるほど、イタリアでデザートは欠かせません。
イタリア流バーベキューは5時間ほどかけてゆっくり行います。日本もこれからピクニックが楽しくなる季節、いつもと趣向を変えてイタリアバーベキュー、お試しあれ♪
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