サッカーユーロ2016、イタリアはグループ1位通過で決勝トーナメントへ
あまり前評判の良くなかったイタリアでしたが、ふたを開けてみれば強豪ベルギーに2-0で快勝、続くスウェーデン戦でもイブラヒモビッチ選手に1ゴールも許さず1-0で勝利。消化試合となった対アイルランド戦はぱっとしない試合ぶりで敗北してしまいましたが、順調に予選リーグを一位通過を果たしてイタリアは盛り上がりを見せています。
イタリアのサッカー放送で「日本とイタリアの違い」に気づく
私も毎試合、パブリックビューイングでイタリア人の友人たちとビール片手にサッカー観戦を楽しんでいますが、サッカーの試合を放映するイタリアの有料チャンネルSKY SPORT(スカイ・スポーツ)を観ていて「日本とイタリアの違い」に気づきました。
スカイ・スポーツのサッカー番組の司会はIlaria D’Amico(イラリア・ダミーコ)という、イタリアでは有名なスポーツ・ジャーナリスト。昔は政治記者もしていたそうですが、2003年からスカイでスポーツ・ジャーナリストをしています。ユーロ2016といえば国民的関心度の高い試合ですから、その放送の司会を務めるというのは相当有名な司会者&ジャーナリストであるという証。
2~3年ほど前の話になりますが、イラリア・ダミーコは実はあるスキャンダルを起こしていました。当時、ダミーコは既婚&子供を持つ母親でありましたが、サッカー・イタリア代表の守護神、ゴールキーパーのGianluigi Buffon(ジャンルイージ・ブッフォン)と不倫関係にあることが報道されました。当時、ブッフォンも既婚者&子供を持つ父親。奥様はチェコ出身でモデルのAlena Šeredová(アレーナ・セレドヴァ)で二人仲睦まじい写真が雑誌の表紙を飾ったりしていました。つまり、イタリアを代表するサッカー選手ブッフォンとイタリアの有名スポーツ・ジャーナリストによる、いわゆるダブル不倫でした。
今年に入り、日本ではタレントと歌手による不倫問題報道が過熱していると、イタリアに住んでいてもその話題が連日ネットなどで伝わってきました。日本ではずいぶん大々的に報道され、タレントは全ての番組を降板することになったとか。
一方のイタリア、ブッフォンといえば国民的サッカーの英雄、ダミーコは有名な美人ジャーナリスト。知名度からすると、おそらく日本のそのタレントと歌手の知名度レベルよりさらに上の二人。しかも、二人そろって既婚者で子供もある家庭持ち。そんなイタリアの超有名な二人の不倫の結末はどうなったか。
国民は「どうでもいい」、番組司会も普通に継続
不倫発覚当時はイタリアにおいて大きなスキャンダルに発展し、かなり大々的に報道もされ、日本でもニュースで取り上げられたほどでしたが、その後も引き続きブッフォンはイタリア代表のキャプテン&ゴールキーパー、ダミーコは相変わらずサッカー放送の司会をしています。前述した通り、今回のユーロ2016のスカイ放送でもダミーコは司会を務めています。
ブッフォンも初戦のベルギー戦、二戦目のスウェーデン戦で活躍。もし過去のスキャンダルを知らなかったら、誰も全くそんなことがあったとは気づかないほど普通に放送されていました。
サッカーの観戦をしながら、それとなく周囲のイタリア人たちに「日本で不倫問題があってタレントが番組降板、連日大報道されていた」と伝え、イタリアでは例えばブッフォンとダミーコの関係などはどう思っているのかと聞いたところ、「どうでもいいじゃん!くっだらね~。」と一蹴。
そんなわけでイタリアでは、不倫で騒がれたあの日本のタレント問題のような報道展開には永遠にならないのだと実感したのでした。ちなみにイタリアでもサッカーのテレビ放映では試合の最後に司会者やコメンテーターから選手へインタビューが行われますが、果たしてダミーコとブッフォンの掛け合いは行われたでしょうか?イタリア代表のキャプテンでもあるブッフォンのインタビューは必ずありますが、初戦の放送ではコメンテーターからブッフォンへ質問があり、ダミーコからではありませんでした。しかし、司会者としてインタビューを終了する際にダミーコからブッフォンへ一言。
「Ciao ciao Gigi!」=バイバ~イ、ジジ!
親しみを込めてブッフォンのあだ名の「ジジ」で呼びかけ、「バイバ~イ!」。そのやり取りには、不倫問題の余韻も無く、なんともあっけらかんとした雰囲気のみが漂っていました。こうも日本とイタリアは違うものか、と身をもって感じたサッカー・ユーロ2016のスカイ放送。28日にはイタリアは最大の難所を迎え、強豪のスペインと激突します。試合だけでなく、ついついブッフォンとダミーコの掛け合いにも注目してしまいそうですが・・・。
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