イタリアで一躍、時の人となっている日本人男性とは
「きゃりーぱみゅぱみゅ?誰それ?」というのが現実のイタリアですが、この人は違います。
イタリア人の間で大ブームになっていて、インターネットで話題沸騰中です。
イタリアでテレビニュースの記者にインタビューされている動画がYOUTUBEにアップされ、その動画がイタリア全土で大フィーバー!瞬く間に沢山のパロディ動画も作成され、この日本人の発言が流行語になっているんです。
それでは、早速そのビデオをご紹介します。わずか5秒のビデオであっという間に終わってしまうのでご注意を。
再生回数はびっくりの407450回!(2015年9月30日現在)しかも、これと同じ動画もいくつも存在し、他にも20万回超えをしていものが数本あるので、合計回数は計り知れません。
一体どこがそんなにウケているのか?
イタリア語がわからない方には、このビデオがなぜそんなにイタリア人のツボにはまったか、ぱっと見て理解するのは難しいかと思いますので、解説します。日本のジョークと同じく、解説してしまうと面白味が半減するのはどうかご了承ください・・。
イタリア人インタビュアーは、どうしてよりによって、こちらのどう見てもイタリア人ではないアジア系の男性に、しかもイタリア語でインタビューしてしまったのかはわかりません。他にいくらでも聞く相手はいるだろうに!と思うほど、周りはイタリア人だらけなのに・・。しかも場所は大聖堂の中で、儀式のまっただ中。
イタリア人記者はこう尋ねました。「Cosa chiede a San Gennaro?」 (=聖サン・ジェンナーロに何を祈りますか?)
聖サン・ジェナーロとはナポリの守護聖人のこと。サン・ジェンナーロの命日にちなんで、ナポリでは毎年9月19日がサン・ジェンナーロの日で祝日になります。ナポリの大聖堂にて毎年、儀式が行われるのですが、まさにこの儀式内において、このインタビューが行われました。サッカーセリエAのナポリのユニフォームを着ていたため目立ってしまっていたのかもしれません。
さて、この質問に対して、この日本人男性はこう答えました。
「Sono Giapponese」(=私は日本人です。)
「聖サン・ジェンナーロに何を祈りますか?」に対し、「私は日本人です。」と答えちゃったわけです。
イタリア人からすると、「だから何?日本人だから何なのー?!」と突っ込みたくなる回答なわけです。日本でも、例えば神社にお参りに来ている外国人に「何をお願いしましたか?」と質問して、日本語で「私、イタリア人!」って言われたら、いわゆる「ズッコケー」(古いなあ!でもこの表現がしっくりくるので使っちゃいます)となる、あの感じと同じです。イタリア人の笑いのツボどころは、けっこう日本人に通じるものがあるような?!
この「Sono Giapponese」は、イタリアにもし流行語大賞があれば、ノミネートされちゃうんじゃないかという勢いで拡散中。昨日はFACEBOOKがダウンしていましたが、イタリア人の間ですぐにこのツイートが拡散。Sorry, sono Giapponese. 私がイタリア人にこのフレーズを言ったら、「なに?ウケ狙ってるの?」と突っ込まれそうなくらい。なんとも日本人であることを名乗りづらいくらいにブームになっているこの言葉。
イタリア人、笑いのためならなんでもやります。すぐにパロディビデオも多数登場していますので、そのうち2本をご紹介。
こちらは先日行われたばかりのミス・イタリアの選考番組をもじったパロディ。ミス・イタリアに選ばれた女性は少々おバカなキャラで、彼女自身のパロディ画像も沢山あります。この動画では彼女のおバカ回答の場面がもじられています。審査員の男性が「もしできることなら、どの時代に生きてみたいか。そして誰になりたいか。」という質問に対し、「Sono Giapponese」(私は日本人)
こちらはテクノバージョン。他にもYOUTUBEで検索すると、スターウォーズのパロディまで幅広く動画が出てきます。この日本人男性がいかに時の人であることがよくわかりますよ。
ただ、こちらの日本人の方、果たして自分がイタリアで有名になっていることをご存知なのでしょうか・・。イタリア語できちんと回答されていて素晴らしいのに、回答がとんちんかんだったために、ここまでイタリア人の間で人気が出るなんて、ご本人は夢にも思っていなかったと思います。また、イタリア人によると「ソフトタッチな言い方が、いかにも日本人ぽくてツボ」なんだそう。
いや~、しかしどんなことで有名になるかわかりませんね?!
皆さん、明日は我が身かもしれませんよ~。
ぎあっちょ says
知り合いのイタリア人(含むナポリ人)複数人に聞いてみたところ、皆、解釈はむしろ逆でした。
イタリア在住ならばもちろんご存知だと思いますが、
彼が意図せず付けた最初のハンドジェスチャーが「ハァ?WTF!」とイタリア人達には見えるため
che vuoi? io sono giapponese.「ハァ? 日本人ですが、何か?(サンジェナーロはお前らのお祭りだろ、他のイタリア人あたれよボケ!)」と
とてもお上品に答えてるように聞こえるそうです。
インターネットミーム的にはミルコクロコップの
「お前はなにを言ってるんだ」
http://d13n9ry8xcpemi.cloudfront.net/photo/odai/400/b8ef9bde5f48cbc39d4dd3bbaf55f1d0_400.jpg
的な感じでしょうか?
どちらかというと厳粛な儀式の最中に、トンチンカンな相手に質問した質問者の方が
馬鹿にされている感じでした。
Mako says
ぎあっちょさん、お名前の通り氷のように少々冷たいコメントをありがとうございます(笑)
さて、私がこのビデオの存在を知ったのは、そもそもイタリア人の友人(ナポリ近郊)から「面白い日本人がいるよ!」と紹介を受けたからです。周りのイタリア人たちにもビデオを見せ、どう思うか感想を複数集めてから記事を書きました。
ぎあっちょさんからご指摘があったジェスチャーですが、あれは「che vuoi?」のジェスチャーというより(あの「ハア?何か?」というジェスチャーは指を丸めてあごの下でふる動作ですね)手のひらを顔のそばにあてるのは「vedi?」という意味で、「見て、私の顔、日本人でしょ?」ということを表していると聞きました。ですがぎあっちょさんもイタリア人に確認されたそうですので、そういう風にとる方もいらっしゃるんですね。勉強になりました。
私にビデオを送ってくれたイタリア人、Antonioさんの意見もそのままご紹介します。
“Il video é buffo perché il ragazzo e imbarazzato e tende a giustificarsi del fatto di essere giapponese e lo dice in un modo che fa ridere. Certo che e simpatico !!”
共通する解釈はやはり、男性の言い方のようですね。「お上品な感じ」がいかにも日本人ぽいところが面白いようです。しかし解釈は人それぞれで、解釈違いでこんなにも見方が変わってくるなんて、なんだか面白いですね!
追伸)本日10月3日現在、この冒頭のビデオの再生回数はなんと80万回を超えています!セリエAで活躍する本田選手や長友選手のバージョンまで登場、その人気ぶりはとどまるところを知りません(笑)
あっくあ says
こんにちは。
最初の動画を見てみましたが、イタリア人たちがウケてるのは、ぎあっちょさんのおっしゃる通り、
外国人にそんなこと聞いてもしょうがないだろ?って状況なのに、日本人らしく丁寧に、しかもこのかたの場合、
非常にエレガンテに「どうして私に聞くんですか、私は日本人ですよ」のニュアンスを伝えているところだと思います。
たしかに質問の答えになってませんけど、わからなくてというより、
むしろこの方はちゃんと質問を(=イタリア語を)理解して、こう答えられたんじゃないでしょうか?
選んだ相手に不適切な質問をしてしまったのはインタビュアーのほう。もしこれがイタリア人だったら言葉は何も返さず、黙って軽く相手を睨み、ma che dici?のかたちを作った手を上下に3回くらい振るかも知れません。(まぁそこまでされるような失態でもないですが)
それなのにこの紳士は穏やかに、静かに、「あ、わたし日本人ですので・・・(その質問はナポリのかたにどうぞ、の余韻すら漂うw)」と返す。
イタリア人の反応とは違うわー、さすが日本人だわー、この差だよねー、おもしろーい
ってところがツボなんだと思います。
私もイタリアでイタリア人たちと10年以上つきあってきましたが、彼らは、動揺してとんちんかんな答えをしてしまった外国人を笑う(ちょっと馬鹿にして笑う)感性はもってない人たちだし、
カルチャーギャップを純粋に面白がってるんだと思いますよ♪
そして推測ですが、このシンプルなフレーズが、今度はまた別の、新たな「イタリア人と日本人は違うよね」ネタに変容していってるのが、いろんなバージョン誕生という現象なんじゃないのかな?と。
あるいは、答えたくない、答えられない質問への、最強のかわし方を発見!みたいな。
これは動画見てないで言ってますが。
解釈の違いもいろいろありますし、そりゃイタリア人だっていろいろだから、中には、噛み合わない質問と答え、というところにツボってる人もいるかと思いますけど、maggiore parteは、
「どんなときでも礼儀正しい日本人、聞いてはいたけどやっぱりか!」で愛情持って笑ってくれてると思います。
でもどの解釈が正しいとか、こだわらなくてもいいと思いますよ♪
siamo in Italia!
Mako says
あっくあさん、コメントありがとうございます。ぎあっちょさんの次にあっくあさんとは氷が溶けて水になったのでしょうか。なんだかお二人のお名前が流れのようになっていて興味深いです。次はぶぁぽーれさんやあーりあさんからのコメントが来るのか、今から興味深々です。
ご丁寧な解釈をどうもありがとうございました。「どの解釈が正しいとか、こだわらなくてもいい」というご意見、私もおっしゃる通りだと思います。私もこだわっておりませんし、前回コメントの繰り返しになりますが、解釈次第で色々な見方があって面白いと思っております。わずか5秒の動画でこれだけ論議ができるなんて、やはりイタリアでブームになるだけあるとつくづく思いました。他にも「ナポリのユニフォーム着てたのが面白い」とか、もうありとあらゆるツボがあるようです。
ブームはますます加速し、今度はイタリアのTOYOTAのオフィシャルFACEBOOKサイトでもこのネタが使われていて、5000人以上が「いいね」そしてシェアが1400件を超えています。すごいなあ、こちらの日本人の方。きっとイタリアの街を歩けばサインをねだられる立場にあるのではないでしょうか?!以下、TOYOTA ITALIAのオフィシャルFACEBOOKのサイトです。
https://www.facebook.com/ToyotaItalia/photos/a.255686894477597.60713.247938415252445/956652691047677/?type=3&theater
ぶぁぽーれ says
記事だけ見ると”ツッコミたくなる”とまるでインタビューを受けた方に何か足りなかった様な表現でそこをバカにしている風に読めましたが、Toyotaのプロモーションに使われているところを見るにそうでは無いみたいですね。