(写真:イタリア映画「un americano a roma」)
イタリア料理といえば・・・やっぱり思い浮かぶのは「パスタ料理」ではないでしょうか。
日本の食卓でもすっかりお馴染みとなったパスタ料理ですが、日本の定番の「あのパスタ料理」、実はイタリアでは「これはありえない!」んだそう!!「あのパスタ料理」とは一体・・・??
まずはその前に、「パスタ」について少々・・・。
というのも、日本人の友人とのやりとりでこんな行き違いがあったんです。
友人がFACEBOOKにとあるスパゲッティ写真を載せた時のやりとり。
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私「このパスタ、イタリア人によるとありえないそうですよー」
友人「パスタじゃなくて、スパゲッティです」
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この時、「じゃあ、パスタって一体何のことなのか?!」とちょっと聞いてみたくなったのですが(笑)イタリア語でパスタとは、スパゲッティ、リングイネ、ペンネ、フジッリ、カッペリーニなどの総称です。ですので、スパゲッティもパスタの一種になります。
こんなフェットチーネもパスタです。
本場イタリアの作り方で生パスタを作ってみたい!と思う方にはこちらをどうぞ→「イタリア人直伝の手打ち生パスタ」
この大きい不思議な円盤みたいなものもパスタ!→「イタリアの不思議な円盤!これな~んだ?」
イタリアのスーパーに行くと、パスタの種類の多さにびっくりしますよ!
かわいい形やカラフルなものなどは、お土産にもぴったりです。
さて、今回のお題に話を戻しまして、イタリアでは「ありえない!」という日本ではお馴染みのパスタ料理。それは・・・こちら!
(photo: Kazuya Nakane )
「え?!普通のパスタじゃないの?!」って思いました?
この写真、友人が日本のイタリアンレストランで撮影したものなんですが、日本人にはごく一般的なパスタ料理ですよね。でもイタリア人にこの写真を見せると「ありえな~い」となるんです。なぜかというと・・・
パスタ(この写真ではスパゲッティですね)にソースが絡んでないから!なんです。
イタリアにももちろん、ミートソース(イタリアではragù=ラグーといいます)やトマトソース のパスタはあります。が、茹であがったパスタは、必ず最後にフライパンのソースに絡めます。日本のように茹であがったパスタをお皿に盛り付け、その上にソースをかける、というのはイタリアでは「ありえない」んだそうです。理由は、「ソースをからめないと、パスタはすぐ乾燥して、パスタ同士がくっついて固まってしまう」からだそうです。確かに・・・言われてみれば、イタリアで食べたパスタ料理は必ずパスタ全体にソースが混ざっています。
この年末年始は南フランスで過ごしたのですが(またその旅行記については近々ブログでご紹介します)、あるフランスレストランに入ったところ、まわりのお客さんがなぜかほとんどイタリア人で、隣の席もイタリア人のご夫婦でした。こちらのご夫婦、メイン料理にお肉料理を選んだところ、運ばれてきたお肉料理の付け合わせが・・ソースのかかっていないパスタでした。日本でもスーパーのお弁当等に、茹でただけのパスタに塩コショウがかかったのが入っていますが、あの感覚です。運ばれてきた料理を見て、イタリア人のご夫婦は唖然。「あら~、フランス人はパスタの料理の仕方っを知らないのかしら?!」とでも言わんばかりの表情。そして、ご夫婦は一切パスタには手を付けずに帰っていきました。そのくらい、イタリア人には「素パスタはありえない」ものなんですねえ。
ちなみに、この日本のパスタ料理の写真にはもうひとつ、イタリアではありえないことがあるのですが・・何かお気づきになりましたか?それは・・・お皿がメタル(アルミニウム)なこと!イタリアでは、レストランなどでこのメタルの皿にパスタ料理を載せて運ぶことはありますが、それはあくまで取分け用の大皿。メタルの大皿で持ってきて、各個人の陶器のお皿に盛り付けるのが一般的です。レストランでも、一般家庭でも、個人がメタルのお皿で料理を食べることはありえないんだそうです。確かに、これまで沢山のイタリア人の家庭に招待され、イタリア人たちと食事をともにしてきましたが・・・一度もメタルのお皿が出てきたことはありません。
なぜメタルのお皿がありえないかという理由については「パスタ料理はお皿の上でパスタをフォークに巻き付けて口に運ぶけど、銀のフォークをメタルの皿の上でクルクルするなんて音も感覚もひどい」とのこと。そして、なにより「BRUTTO!(ブルット=見た目がみっともない)」からだそうです。
イタリア人の「美しくなくては意味がない!」という性格についてはこちらをどうぞ!→ 「イタリア人を一枚の写真で表すと!?」
さて、パスタの本場イタリアでのパスタ事情、いかがでしたでしょうか。
イタリアではカプチーノを午後以降飲まないというのもご存知ですか?「これであなたも困らない!レストランで使えるイタリア語(3)」
逆に、日本ではありえな~いということがイタリアで起きていたりします。イタリアの 和食レストランで、イタリア人がお茶碗に盛った白いごはんにお箸を真上から突き刺したり(日本じゃあ、とても縁起が悪いからだめだよ~って言ったら驚いてました)、アメリカ人がラーメンをコカ・コーラと一緒に食べていたり。
日本では当たり前のことが海外ではそうじゃない、ということ。なんだか発見すると面白いですよね!
また何か発見したら、このブログでお知らせします。
補足:今回の「イタリア人にとってはありえないパスタ料理」ですが、インタビューした相手については「フィオレンティーニ」(フィオレンツェの人)です。所変われば違う意見があるかもしれませんし、メタルのお皿が普通!なんていう地域もどこかにある可能性などについては正直わかりません。料理研究家でもありませんので、もし違ったご意見をもつイタリア人がいらっしゃいましたら、ごめんなさい!
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