2月下旬頃から、イタリアのスーパーやBARの店頭などで、この謎の卵状の包みがたくさん並ぶようになります。小さいものから、人の背丈ほどの巨大なものまで、大きさも実に様々。ぬいぐるみがついているものから、エレガントなデザインのものまで、種類も豊富にあります。長友選手が活躍しているセリエAのインテル・バージョンも。このほか、日本でお馴染みのハローキティやら、ドラゴンボールやら、ドラえもんやら、北斗の拳やら、キャラクターバージョンの商品もあり、色とりどりのこの商品が店頭を派手派手に飾り立てています。
イタリアで初めてこの卵状の包みを見た時は、本気で何なのかわかりませんでした。過去にアメリカのカリフォルニアに住んでいたことがあるのですが、そこでも見たことが無く、中身がなんなのか全く見当がつきませんでした。しかも、値段もまあまあ高い。無名ブランドのものでも、大き目のものだと18ユーロ前後(1ユーロ=140円換算で2520円)したりしますし、有名ブランドのものだと30~50ユーロもします。みなさん、中身は何か見当がつきますか?中身はこちらです。
チョコレート!そしてこのチョコレート、中身はこんな感じ・・・
なんと空洞。チョコレートは薄~いので、大きくても意外に軽いわけです。パカっと割れると、中にさらに小さなプラスチックの入れ物が。(ものによっては、プラスチックケースだったりします)。そして、このプラスチックケースの中には・・・
キーホルダー・・・。笑っちゃうくらい、安っぽいキーホルダー 😯 こちらのチョコレート、けっこういいチョコレートブランドだったので、約20ユーロしていたのですが(そして、実際にチョコレートはとても美味しかったのですが)、チョコレート230グラムとこの安っぽいキーホルダーが20ユーロ近くに化ける商品になるとは・・・なんともすごい商売です。
なぜこんなに値段が高くなるのか、私個人の推測ですが、重ねることができないので、輸送に膨大なスペースが必要になるのと、壊れやすいので運ぶのがとても大変なことが一因ではないかと・・。またイタリア人の友人に聞いたところによると、上質のチョコレートでなければ、うまく卵型にならないので値段が張ることになる、とのこと。
さて、果たしてこのチョコレートは何かというと、イタリアの復活祭(パスクワ)の贈り物なんです。英語でいうところのイースターエッグが由来の商品で、イタリア語ではUOVO DI PASQUA(ウォーヴォ・ディ・パスクワ=復活祭の卵)と呼ばれています。今年のイタリアのパスクワは4月5日(日)なので、この時期にイタリアを訪れると沢山見かけますよ。縁起物、季節もの、そして子供たちが毎年楽しみにしているものなので、値段が少々高くなっても、しっかり売れるわけです。日本には無いものなので、日本の家族や友人に送りたいと思ったりもしましたが、なにしろチョコレートがとっても薄く非常に壊れやすいので、配送途中に壊れちゃうだろうなあと思って、毎年断念しています。
イタリアのパスクワで食べられる物には、このUOVO DI PASQUAと、あともうひとつ伝統的なお菓子があります。
それは次回、イタリアのパスクワで食べられる伝統的な食事とともにご紹介したいと思います。
前回のフィレンツェの伝統的なパスクワの行事もあわせてご覧ください→「フィレンツェの350年も続いている伝統行事はド派手な爆竹」
さすがイタリア・・・ 普通のお菓子さえも高価な贈り物に仕立てるビジネスの天才!!
伏島しげるさん、コメントありがとうございます。
バレンタインデーやホワイトデーのイベントを生み出し、チョコレートなどを大量に販売することに成功した日本こそビジネスの天才だと思いますが(^^;)イタリアもこの卵型のチョコレートに関してはあっぱれだと思います。店頭に飾ると華やかなので、街中がにぎやかに見える効果もあるんですよ。ただ、20ユーロ(2500円程度)もする卵型チョコレートをイタリアの子供たちが何の躊躇もなく頭からかぶりついてむしゃむしゃ食べるのを見ると切なくなるのは・・私だけでしょうか?!(^^;)