8月と10月の地震でカステルッチョの街60%が崩壊、孤立状態に
イタリア中部地震の被害、これまでNorcia(ノルチャ)やAmatrice(アマトリーチェ)の被害について書いてきましたが、今回は大きな被害を受けたCastelluccio di Norcia(カステルッチョ・ディ・ノルチャ)という街について。この街も今年7月に観光で訪れたばかりでしたので、あれだけ美しかったカステルッチョが大きな被害を被ったと知り大変ショックでした。地震前はどれだけ美しい街だったか、今年7月に撮影した写真でご紹介します。日本ではBS放送で「雲海に浮かぶ天空の街」として紹介されたこともあるようです。
8月25日掲載「イタリア中部地震に見る、日本とイタリアの違い」
8月28日掲載 「イタリア中部地震、震源地近くの街NORCIA(ノルチャ)は犠牲者ゼロ」
10月30日掲載 「Norcia(ノルチャ)でM6.6の地震被害、教会崩壊」
Castelluccio di Norcia(カステルッチョ・ディ・ノルチャ)はペルージャ州にある街で、これまで大きな被害の出たアマトリーチェとノルチャの北に位置します。
地元新聞情報によりますと、8月と10月に繰り返し起きた地震の被害で、街の60%が崩壊しました。カステルッチョは山々に囲まれた大平原にポツンとそびえ立つ周りを小高い丘の上に位置します。地震によって街へ向かう道路が壊れて地滑りも起きたことにより交通路が絶たれ、事実上の孤立状態となってしまいました。そのため、地震後は消防隊員がヘリコプターで現場に到着、復旧作業にあたっています。
カステルッチョは壮大な色とりどりの「天空の花畑」で有名な観光地
カステルッチョは6月下旬~7月初旬頃にかけて、レンズ豆などの花が見ごろとなり、大平原に花畑の絨毯が広がります。そのスケールの大きさと言ったら思わず息を飲むほど。開花時期になると、イタリアのみならずヨーロッパの他の国々からも観光客が大勢訪れます。時期によって咲く花も変わり、また毎年満開時期も変わるため、花の見ごろは街のホームページの開花情報をこまめにチェックするのが一番です。私は今年の7月3日に行きましたが満開まであと一歩といったところで、あと一週間遅ければさらに広範囲の花畑が見られたところでした。
カステルッチョ・ディ・ノルチャのホームページ http://www.castellucciodinorcia.it/
その中の開花シーズン中の花の咲き具合を紹介するページ http://www.castellucciodinorcia.it/fioritura-castelluccio-di-norcia/
交通の便が悪いため、カステルッチョに行くには車しかありません。私はイタリア人の友人たちとフィレンツェから車で出かけましたが、フィレンツェからは約260キロ離れており、3時間半ほどかかりました。花畑ばかり期待していましたが、最初にカステルッチョを目にした時の感動といったらもう。山々に囲まれた大平原にポツンと浮かぶカステルッチョは、まさに「天空の街」そのもので、その雄大な自然に圧倒されてしまいました。カステルッチョの街から2キロほど手前の有料駐車場(駐車場の横には馬が沢山いました。)に車を停め、そこからはシャトルバスも出ていましたが、徒歩で花畑を抜けて町まで向かうことにしました。このコースを歩いて大正解、街にたどり着くまでに黄色い花畑、青々とした草原、ピンク色の花畑・・と景色はめまぐるしく変わり、その道のりも大変美しいのです。そしていよいよ花畑の絨毯を間近にした時の感動といったら・・。それでは、その時撮影した写真をご覧ください。(撮影は全てカメラ「SONY α、NEX5-R」を使用しています。)
こんなにも美しい景色の街が崩壊したとは、今もまだ信じられません。フィレンツェからは遠かったのですが、来年もまたこの地を訪れたいなと思うほど素晴らしい景観でした。再びこの地を訪れる日を楽しみにしつつ、一刻も早い街の復興をお祈り申し上げます。
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