イタリアの夏も、定番フルーツはやっぱりスイカ
今年のイタリアは猛暑が続き、とても夏らしい夏を迎えています。そんな暑い夏に欠かせない食べ物と言えば・・スイカ!イタリア人も夏はスイカを良く食べます。イタリア語ではCOCOMERO(ココメロ)やANGURIA(アングーリア)と言います。
イタリアのスイカは、日本の真ん丸で緑地に黒すじのスイカと違い、細長くて、白地に緑のすじが入っているのがほとんどです。長い分、日本のスイカより大きいのですが、中は同じで赤色。
フィレンツェにはスイカにちなんだお祭りがあります。
フィレンツェには、このスイカにちなんだお祭りがあります。中心市街地のゾーン、San Lorenzo(サン・ロレンツォ)地区では毎年8月に「cocomerata(ココメラータ)」という伝統的なお祭りが開かれ、スイカとラザニアが無料で配布されます。今年は8月10日に行われましたが、私は4年前にこのお祭りに参加しました。この年は、ラザニアではなく、なぜかパスタでした。
とにかくすごい人、人、人。イタリア人は行列を作ったり、お行儀よく待つのが苦手な国民なので、こういう時はもう大変です。とくに行儀が悪いのは、意外にもお年寄り。平気な顔をして、どんどん「順番抜かし」をしていきます。スキあらば、ひょいと前に割り込んでいく姿にはあきれるばかり。それも一人や二人ではありません。スイカとラザニアの無料配布にありつくには割の合わないほどストレスを被るので、このお祭りは一度限りで十分、その後参加することはないだろうなあ・・・。参加されたい方は、覚悟してお並びください!
日本とイタリアで違うスイカの食べ方
さて、話を戻しまして、今回のブログのタイトル「イタリア人にスイカの日本流の食べ方を教えたところ・・?」についてご紹介します。日本では「スイカに塩をかけて食べる」風習があります。日本の映画やアニメでも、スイカに塩をかけて食べているシーンが時々出てきます。私は日本にいた時から、スイカに塩をかけて食べることはあまりなかったのですが、家族は塩をかけていました。
イタリアではスイカに塩をかけて食べる人を見かけたことはありません。レストランでもスイカに塩は出てきません。そこで、イタリア人たちに日本流の「スイカに塩かけ」を伝えてみました。最初の反応は「え?なんで??」と本当にびっくりした様子。「スイカに塩だなんて、生まれてこのかた、思いついたことすらない・・・。」と戸惑いの表情すら見せていました。
イタリア人が「スイカに塩」を食べた反応は・・・?
そもそもイタリア人は食べ物にはとても保守的です。例えば、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風Tボーンステーキ)にオリーブオイルをかけている外国人を見ただけで「邪道!信じられない!」と憤慨してしまう国民です。食べ物にうるさい、そんなイタリア人たちに日本流の「スイカに塩」はどう思われるのか?私が「塩をかけると、一層味を濃く感じるし、甘味も増すような気がするから試してちょうだい」と塩を渡すと、不信な表情をしたまま。恐る恐る少しだけ塩をスイカにかけて一口パクリ。すると・・・「すごーい。美味しい!信じられない~」と大好評。その後からは、私が何も言わなくても、自ら進んで塩をかけていました。あまりに気に入ったようで、「これはすごい発見。こんなことイタリア人は誰も知らないから、友人たちに教えなくっちゃ~」と喜んでいました。
イタリアを代表する「あの一皿」も似たような発想です。
イタリアのスイカは塩なしでも味が濃くてとっても甘いので、塩なしでも十分美味しいので本当は必要ないくらいです。ただ、この甘いものとしょっぱいものの組み合わせ、というのはイタリア料理を代表する「あの一皿」と発想が似ています。それは、「生ハムメロン」。イタリア語ではProsciutto e Merone(プロシュット・エ・メローネ)といいますが、イタリアでもどこのレストランでもメニューにある前菜の定番の一皿です。甘いメロンと塩辛い生ハム、甘さとしょっぱさが一緒になった一品が好きなイタリア人にとっては、スイカに塩、というのは別におかしくない組み合わせだと思います。
イタリアではスイカはスプーンやフォークで食べません。
スイカの食べ方で、実はイタリアと日本でもうひとつ違う点があります。イタリアではスイカはスプーンで食べません。「小さいナイフ」で食べるんです。日本のように、先がギザギザしたスイカ用スプーンなんていう便利なものがイタリアにはありません。イタリアでは、先がギザギザした小さい果物ナイフでスイカを一口サイズにカットし、そのナイフをフォークのようにカットしたスイカに刺して口に運びます。この食べ方、慣れてしまえばけっこう楽ちんです。ただ、舌を切らないよう、ナイフはくれぐれも切れ味の悪いギザギザしたナイフを選ぶ必要があります。
暑いイタリアの夏、食後のデザートにスイカもお勧め
イタリア人も夏はレストランでの食事の最後のデザートに、よくスイカを頼んでいます。夏バテ気味で疲れていてもさらっと食べられますし、口もさっぱりします。また、スーパーマーケットでは、一口サイズにカットしてパックされているのも販売されていますので、ホテルで食べる時なんかにも便利です。イタリアのスイカ、とっても甘くて美味しいので、夏の観光で疲れた時に是非お試しくださいませ。
きたとしかず says
スイカ、美味しいんですね!
町の道路沿いで移動販売しているのに何度か出会ったのですが、手を出す勇気が無くて未体験で終わってしまったのですごく後悔しています。
Mako says
スイカ、とっても美味しいんですよ~。皮の白い部も甘くないですが食べられます。しかも安いです。そして、まさにその「道路沿いの移動販売」や市場のスイカの方が、スーパーより美味しいです!産地直送ですからね。次回は是非、甘いスイカを現地で!
ココマド says
娘の夫がイタリア人でイタリアで結婚、出産は日本で行いました。今、イタリアから来るご家族がこの夏美味しい果物は何かないか。そもそもスイカを食べる文化はあるのだろうか検索したところこちらに辿りつきました。「塩」ですね。このブログに感謝します
Mako says
コメントありがとうございます。日本もイタリアも似たような果物を食べています。日本の柿はCACHI(カキ)とイタリア語化されて秋に店頭に並びます。イタリアのご家族が日本のスイカに塩をかけて食べた反応はいかがでしたか。楽しい夏を過ごされたことと思います。