イタリアに滞在していると、考え方や文化など日本との違いを日々感じます。
ですが、日本と同じだなと思うことがあります。それは、伝統産業です。
イタリアにも長い長い歴史を経て今に受け継がれてきた伝統工芸が沢山あります。
そして伝統工芸は、やはり日本と同じでイタリアでも、時代の変化にともない販売・流通が難しくなっています。どうプロモーションしていけばいいのか悩み、変化を求められている時を迎えています。
現在、CNA PRATO(Confederazione Nazionale dell’Artigianato e della piccola e media impresa 工芸と中小企業の国立連盟のプラート支部)が主催の伝統工芸展覧会が、プラート北部のVaiano(ヴァイアーノ)で開かれています。先週は、このオープニングイベントに出席してきました。
「Ti aiutiamo a guardare lontano」 (遠くを見るための手助けをします)
このスローガンの「遠く」とは、外国のことです。イタリアの伝統産業は、イタリア国内だけでは衰退の危機があり、外国へのプロモーションが必要に迫れています。しかし、イタリアの伝統産業も日本と同じ、むしろ日本以上に、家族経営・小さい規模での経営が多く、大企業のプロモーションに太刀打ちできない状況にあります。そのため、主催のCNAが職人、中小企業を世界とつなげるプロモーションを手伝っています。
この日、ゲストで来ていた大学教授によると、「イタリアの伝統工芸は、その技術は職人の間だけで受け継がれ、長い間秘密にされてきた。だが、そのやりかたはもう通じなくなってきている。インターネットの発達、産業のグローバル化にともない、イタリアの伝統工芸も外国へ向けて発信していく変革の時を迎えている。どうしてその作品がそんなに高額なのか、どういったところがすごい技術なのか、そうしたイタリア伝統工芸の素晴らしさを伝える必要がある。さもなければ、購入者はその良さがはっきりわからず、高額商品を買う判断ができない。」とのことでした。
私は元々静岡の地方テレビ局の報道記者です。静岡は伝統工芸の盛んな街で、沢山の職人さんたちを取材してきました。日本も全く同じ状況です。そして、私はテレビメディアというものを通じて、彼らのPRをしてきました。彼らに必要なのは、その作品の良さをPRする方法だと、取材を通して実感していました。
そして、イタリアに来て、日本と全くおなじ状況に遭遇しています。優れた技術を持つイタリア人の職人たちから「日本に自分たちの商品を紹介したいんだけど、どうしたらいい?」と聞かれます。私がイタリアで起業しようと思った一番の理由はこれでした。今、そうした世界に発信したいイタリアの職人たちの商品を日本にPRしていきたいと思っています。このブログを通して、またオンラインショップを通して。
オンラインショップでは、ただ商品を販売するだけでなく、そうした職人さんたちの優れた技術や、彼ら作り手の思いを伝える場にしていきたいと考えています。
直輸出オンラインショップ AmicaMako イタリアンファッションを日本へ
次回は、このCNA PRATO主催の伝統工芸展覧会(12月6日(土)7日(日)15時~19時開催)についてご紹介します。
最後に、CNA PRATOが製作したPRATOの伝統産業をPRするビデオをご紹介します。英語字幕もついています、ご覧になってみてください。
PRビデオ:
名無し says
感謝