トスカーナの栗のサグラ(=収穫祭)に行ってきました
今年の秋はずっと暖かかったフィレンツェですが、今週末ぐらいから急激に冷え込むようになり、いよいよ冬が訪れたという感じです。
さて、イタリアの秋は食欲の秋。美味しいものが沢山出てくる季節です。先々週はフィレンツェから東へ約50キロ、車で1時間ほ20分ほどのところにあるStia(スティーア)の栗のサグラに行ってきました。
サグラとは収穫祭といったような意味ですが、ポルチーノやトリュフなどの食材や魚介スープのカチュッコといったような郷土料理をテーマにしたお祭りのようなイベントで、それらを用意するのは町の住民たちです。私はこのサグラが大好きで、週末になると面白いサグラが開催されていないか調べては足繁く通っています。今回行ったサグラは旬の栗をテーマにしたお祭り。
イタリアのイベントには音楽が必ずあります。おとぎ話に出てきそうな可愛らしい街で、ほのぼのとした音楽と美味しい食べ物。イタリアのサグラは何度行ってもまた行きたくなるような素敵なイベントです。
イタリアの栗の食べ方はほとんどが「焼栗」です。茹でることはあまりなく、焼栗がとてもポピュラーです。このサグラでは男性たちが栗の大袋をドラム缶にがさっと入れ、焼栗を作っていました。弾けてしまわないよう、栗には切れ込みが入っています。
定番の焼栗の他、Castagnaccio(カスタニャッチョ)と呼ばれる栗でできた栗粉を使ったクレープやモンブランもありました。日本ではフランス語のモンブランと呼んでいますが、モンブランはイタリア語ではMonte Bianco(モンテ・ビアンコ)なのでイタリア語ではモンテビアンコと呼ばれています。イタリア版モンブランを是非とも味わってみたかったのですが、残念ながら売り切りていました。代わりに私が注文したのはこちらのデザート。
私も初めて目にするデザート、リコッタチーズを添えた栗のポレンタです。ポレンタはトウモロコシの粉を煮て作るイタリア料理ですが、ここでは栗の粉を使ったアレンジ料理を提供。見た目はデザートというより料理のようでしたが、さてお味は?これがす〜っごく美味しかったんです。日本人好みの超甘さ控えめの、優しい味わいでモッチモチの食感。日本でいえば、黒砂糖を練り込んだお餅といったような感じ。砂糖を加えていないリコッタチーズがこんなに栗と相性が合うとは新鮮な驚きでした。けっこうボリュームがありましたがぺろりと平らげてしまいました。イタリアにはまだまだ知らない美味しいものが沢山あるものです。
この後、もちろん焼栗もヴィン・サントと一緒に頂きました。ヴィン・サントはトスカーナ名産の甘いワインで、トスカーナでは栗にはヴィン・サントを合わせるのが定番です。
スティーアの栗のサグラも大満足。冬にはサグラはほとんど行われなくなり寂しいのですが、春以降はまた各地のサグラを訪れたいと思っています。
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