今年も行ってきました、トスカーナ州が世界に誇りたいご当地グルメ紹介してくれるプレスツアー! 昨年はまさに食い倒れ状態で、毎日胃薬を飲まねばならないほど食べに食べたツアーでしたが、今年も美味しいものを沢山紹介してもらいましたので、一挙にご紹介します。
前編はこちら↓
真っ白で巨大!イタリアで最も有名で高級な銘柄牛”キアニーナ牛”の牧場見学
フィレンツォーラから次の目的地までの途中のトラットリアにて、地元特産のムジェッロの栗を使った料理などの郷土料理ランチを頂いた後、次の目的地であるレ・クエルチェ牧場へと向かいました。
この牧場では、イタリアで最も有名で高級な銘柄牛キアニーナ牛70頭が飼育されています。キアニーナ牛はトスカーナ州中部の緑豊かで風光明媚なキアニーナ渓谷で育てられている、真っ白な見た目が特徴的な世界最大級規模の大きな牛の品種です。
レ・クエルチェ牧場は1996年から経営を始め、現在では、3人で総面積250ヘクタールにてキアニーナ牛やその他の肉牛を育てています。全ての餌は遺伝子組み換えなしのイタリア原産のみのものを使用しています。ここでは繁殖も行われていますが、獣医無しで産まれることが多く、先日も双子の子牛が獣医の立ち会い無しで無事に産まれたそうです。
近年では日本への輸出も解禁となり、日本でもキアニーナ牛を食べられるようになっています。
AZIENDA AGRICOLA LE QUERCE DI CHIARI STEFANIA(キアリ・ステファニアのレ・クエルチェ農場)
住所 Via di Collina, 20, Borgo San Lorenzo, FI
URL https://www.facebook.com/lequercedeichiari/
羊のチーズ“ペコリーノ・トスカーノ DOP”生産から、果物の生産や牛の飼育までを行う農業協同組合
続いて向かった先は、Vicchio(ヴィッキオ)にあるイル・フォルテート。産地認証DOPを受けたペコリーノを大規模に製造しており、その工場の様子を見学させてもらいました。
工場内に入る前に、使い捨てのキャップ・白衣・シューズカバーのセットが各自に手渡され、それらを着用しながらの見学となりました。
ここのチーズの特徴は、材料はすべてトスカーナ産にこだわっている点です。昔からの伝統製法と新しい技術を組み合わせて、こだわりのチーズづくりを行っています。
イル・フォルテートは、1977 年に設立された農業協同組合です。現在、請負業者を含む労働者72 人のメンバーと 80 人を超える従業員が働いています。長年にわたり、チーズの生産を専門にしており、ペコリーノ・トスカーノ DOP の保護を担う重要な酪農場の 1 つです。
チーズ以外にも、約 500 ヘクタールの土地で牛の飼料と小麦が生産され、農業部門では野菜やリンゴの栽培とオリーブオイルの生産、昔から自慢としている薪焼きパンも製造販売しており、活動は多岐に渡っています。直営店では自家製産物の直売が行われており、訪れる人は誰でも気軽に購入することができます。
IL FORTETO(イル・フォルテート)
住所 Località Rossoio, 6, 50039 Vicchio FI
URL https://www.forteto.it/it/
郷土料理”ポテトのトルテッリーニ”とキアニーナ牛のディナーをヴィッキオで
二日目のディナーは、ヴィッキオの街中にあるアンティーカ・ポルタ・ディ・レヴァンテでいただきました。最初のひと皿はキアニーナ牛のタルタル。「タルタル」というと、日本人にはタルタルソースをイメージしがちかもしれませんが、イタリアで「タルタル」は生肉のたたきのことです。ここではパルミジャーノチーズとオリーブオイルと塩コショウのみのシンプルな味付けでしたが、しっとりした食感で全く臭みがなく上品な味わいでした。
ヴィッキオは「ポテトのトルテッリ」が名物の街で、私もこれまで何度もヴィッキオの色んなところで食べていますが、ここのトルテッリはトロケる食感が素晴らしかったです。
ヴィッキオ駅から徒歩10分ほどの場所にあるレストランなので、最高に美味しい「ポテトのトルテッリ」が食べたい方は、ぜひ足を運んでみてください。
ANTICA PORTA DI LEVANTE(アンティーカ・ポルタ・ディ・レヴァンテ)
住所 Piazza Vittorio Veneto, 4, 50039 Vicchio FI
URL https://www.anticaportadilevante.it/
大自然に囲まれた、プール付きVILLAで優雅で穏やかなひととき
昨年のツアーの宿泊先は美しいリヴォルノ港の景色が楽しめるホテルだったりと、滞在ホテルもプレスツアーの楽しみのひとつなのですが、今回の二日目の宿泊先は、それはそれは素敵なところでした。ヴィッキオにあるラ・コッメンダ・コンコルディアという豪華なヴィッラホテルは、周りを大自然に囲まれたロケーションで、プレスツアー参加者でヴィッラを貸し切るという贅沢な滞在に。
それぞれ部屋はひとつとして同じものがなく、私が泊まった部屋は天井も高く広々。どの調度品も洗練されており、優雅にゆったり過ごすことができました。部屋の窓からは紅葉が始まった美しい自然と素敵なプールが見下ろせ、窓を開けると心地よい鳥の鳴き声のみが聞こえてきました。
朝食のバラエティも豊富であれこれ食べてみたかったのですが、連日のご当地グルメ三昧のため、お腹に余裕はなく泣く泣く断念。しかし、イタリア人たちはやはり朝からフルスロットルで朝食を食べていました。ほんと皆さん、よく食べます……。
このヴィッラは車で訪れるのが一番ですが、無い場合にはヴィッキオの鉄道駅で下車し、ヴィッキオ市役所近くのバス停からバスに乗って訪れることも可能です。喧騒から離れて優雅な気分を味わえるヴィッラ滞在をしてみたい方にお勧めです。
HOTEL VILLA LA COMMENDA CONCORDIA(ホテル・ヴィッラ・ラ・コッメンダ・コンコルディア)
住所 località Molezzano, 64 – 50039, Vicchio (FI)
URL https://lacommendaconcordia.com/
「サフランの話なら永遠に語れるわ!」ヴィッキオでサフラン生産に情熱を捧げて10年
最終日、いよいよ最後の訪問地となりました。私が一番気になっていたサフラン畑の訪問です。イタリアに来る直前にBS日テレのドキュメンタリー番組「イタリアのちいさな村の物語」でサフラン農家の生活を観ていたことから、イタリアに来た時にはチャオ、グラッツィエ、そして「ザッフェラーノ(イタリア語でサフラン)」の3単語のみ知っていた私。そんな思い出があるため、サフランを実際に見るのを個人的に楽しみにしていました。
訪れたのは、ヴィッキオにある アジエンダ・アグリーコラ・ポデーレ・リオII。「サフラン栽培の話を始めたら止まらないの。一日中ずっと話していられるわ」とサフランについて熱く語るカロリーナさんが、私たちを出迎えてくれました。おばあさんが持っていた土地の一部を使って、手探りの状態でサフラン栽培を始めました。25歳で栽培を始めて10年目を迎え、日々サフランへの情熱は高まっているようです。「最初は農業コンサルタントにも相談して。トラクターなどの機械も不要だから、女性にも栽培しやすいと言われて始めてみました。ねずみや野生ウサギからの被害にあったり、色々苦労もありました」とカロリーナさん。
サフランは8月に植え、9月に綺麗な紫色の花が咲きます。その美しいオレンジ色の雌しべを乾燥させたものがサフランになります。
「サフランはイラン産のものが有名ですが、私個人の意見ではイラン産の方が色合いが強く、イタリア産の方が香りと味が強い印象です」
カロリーナさんは、ご主人のマルコさんとここでアグリツーリズムも経営しており、手作りのサフラン製品も販売しています。私たちはサフラン見学の後、もともとシェフのマルコさんが手がけるサフランづくしのランチを頂きました。
サフラン入りのはちみつ添えのチーズ、サフラン入りポテトのスフレ、サフラン入りクリームソースの小さなニョッキ、さらにデザートにはサフラン入りのパンナコッタ。カロリーナさんの情熱がつまったサフランは、鮮やかなオレンジ色が食欲をそそります。参加者たちも最後の食事をワイワイと楽しみました。
AZIENDA AGRICOLA PODERE RIO II(アジエンダ・アグリーコラ・ポデーレ・リオII)
住所 Via Padule, 83, 50039 Vicchio FI
URL https://www.podereriosecondo.com/
今回も大満足な内容だったトスカーナ州プレゼンツのプレスツアー。美味しいものと出会えるのはもちろん楽しみではありますが、それよりもさらに嬉しいのは、生産者たちとの出会いです。彼らからご当地グルメや特産品に対する熱い想いを直接聞けるのは、なによりも貴重な経験になります。今回もまたトスカーナ州の名産品たちへの理解が深まりました。
このプレスツアーは、今年で4回目を迎えるトスカーナ州とフィレンツェの商工会議所が主催の“BUY FOOD TOSCANA(バイ・フード・トスカーナ)”という、生産者や卸売業者と世界からの小売業者を結びつけるB to Bイベントにちなんで開かれています。イタリアでも有数のグルメな州であるトスカーナ州の名産品を生産者から直接取引できるBUY FOOD TOSCANAは、来年も開催される予定です。生産者たちの熱い想いを直に聞きながら取引できる貴重な機会ですので、美味しいトスカーナの食品を輸入されたい方は、来年参加してみてはいかがでしょうか。
BUY FOOD TOSCANA(バイ・フード・トスカーナ)
URL www.buyfoodtoscana.it
このコラムはイタリア情報サイト「SHOP ITALIA」で掲載になったものです。
【トスカーナ州プレゼンツ!ご当地グルメのプレスツアーに参加してきました<後編>】
◆「SHOP ITALIA」のでコラム連載しています。過去の記事もこちらからどうぞ♪
コラム一覧はこちら→ https://shop-italia.jp/author/mako-kobayashi
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