なんだ、この騒音は?!戦争勃発か?!
先月下旬、フィレンツェの自宅で今まで耳にしたことが無いような騒音で目を覚ましました。戦争でも始まったのか?!とびっくりしてしまうような音。寝ぼけがさめ、頭が起きてくるにつれ、その騒音はヘリコプオターの音だということに気づきました。何度も何度も家の真上を旋回しているようです。
「そうか、きっとこれは前々から耳にしていたあのハリウッド映画の撮影だな」と思い、窓から外を見るとすぐ真上をヘリコプターが2機も飛び回っています。フィレンツェではホームでサッカーセリエAのフィオレンティーナの試合がある時は撮影用にヘリコプターが飛びますが、そんなものとはまるで別物で低空飛行。肉眼でもヘリコプターの先端に撮影用ビデオカメラがついているのが見えるほど。
以前、テレビ局で報道記者をしていた時、上空リポートのために何度かヘリコプターに乗りましたが、その撮影の時、本社から無線で「その現場から離れなさい。下にある富士サファリパークから連絡があり、動物たちがヘリの音に興奮して暴れている」と連絡が入ったことがありました。人間でも騒音で目が覚めてしまうほどなので、敏感な動物たちはさぞうるさくて気の毒だったと、2機のヘリコプターを窓から眺めながらそんなことを思い出しました。
最初は「自宅がハリウッド映画のセット内にあるみたい〜」と面白がっていましたが、このヘリの撮影は丸々1時間ひっきりなしに旋回し、1時間休憩があった後、再び1時間旋回、さらにその後も何度も旋回と、結局一日中ヘリが飛び回っているような感じで、その日は夜まで一日中ヘリの音の耳鳴りがしました。
カーチェースの撮影。マイケル・ベイ監督の姿も!
ヘリの音の合間に、これまた普段耳慣れない車がキーキー猛スピードで走っている音が。そういえば、自宅のすぐ近くのアルノ川沿いの道路が映画撮影のために封鎖されていたような・・・。
騒音の方へ近づいてみると、撮影している見物人たちの人垣が出来ていました。その向こうではど派手な蛍光グリーンのアルファロメオのカーチェースシーンの撮影が行われていました。と、そこに一人の並々ならぬオーラを放っているスラリとした紳士を発見。おおお!マイケル・ベイ監督!!
「トランスフォーマー」シリーズ、「アルマゲドン」「パール・ハーバー」といったハリウッド大作を数々生み出しているマイケル・ベイ監督がロケの中心で指揮を取っていました。監督なので映画に登場するわけではないですが、俳優のようにかっこよく、ひときわ目立っていました。
撮影中の映画は「シックス・アンダーグラウンド」
マイケル・ベイ監督がフィレンツェで撮影している新作映画はネットフリックスの「シックス・アンダーグラウンド」というタイトルの映画。主演は「デッドプール」シリーズや「グリーン・ランタン」「あなたは私の婿になる」などのライアン・レイノルズ。スカーレット・ヨハンソンの元夫で、ブレイク・ライブリーの夫という美人からモテモテの俳優ですが、見かけることは出来ませんでした。
今も銃声が・・・
撮影は9月に入ってからもまだ続いているようで、今日もカーチェースの音と銃声が聞こえてきます。ちょっと買い物に出かけた際も道路が封鎖されて少し遠回りする羽目になりました。映画のセットの中に住んでいるような少し非現実的な感覚がして面白いのですが、フィレンツェはよく映画の撮影が行われます。3年前にはトム・ハンクス主演の「インフェルノ」が撮影され、その前にはアメリカドラマ&映画「ハンニバル」の撮影が行われており、現在はこの「シックス・アンダーグラウンド」と同時に元イタリア首相&元フィレンツェ市長のマッテオ・レンツィのドキュメンタリー映画も撮影中です。
「シックス・アンダーグラウンド」の撮影は街のシンボルのドゥオモの前の広場、サンティッシマアヌンツィアータ広場などフィレンツェの各地でもど派手なカーチェースの撮影が行われています。常に人でいっぱいのフィレンツェの町中でカーチェースはどう考えても現実味はないのですが、そんなことはさておいて映画館の大きなスクリーンで美しいフィレンツェの町中でのカーチェースはきっと迫力あるに違いないと思います。いつ完成になるのかわかりませんが、マイケル・ベイ監督の新作「シックス・アンダーグラウンド」の公開が今から楽しみですね!
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