ご注意:始めに断わっておきます。真偽のほどはわかりません。
フィレンツェ生まれ・育ちのフィレンツェ市民の友人に聞いた話で、その友人も「真偽のほどはわからないが、こういう伝説がある」と前置きして教えてくれました。真実だったらかなり面白いのでご紹介します。真実じゃなくても、そんな伝説があること自体、とてもイタリアらしくって面白いです。フィレンツェへ旅に来る楽しみが増えますよ!
フィレンツェといえば、誰でも思い浮かぶのがブルネレスキの巨大なクーポラで有名なドゥオモ、Cattedrale di Santa Maria del Fiore(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、通称・花の大聖堂)だと思います。この超有名なドゥオモに「牛の頭」伝説があるんです。最初に聞いた時は「なんだそれ」と思いましたが、なんと!本当にドゥオモに牛の頭の彫像があるんです!ご存知でしたか?!見つけたことある方、いらっしゃいますか??それがこちら。
本当にどう見ても牛の頭。これ、けっこう大きいのですが、かなりわかりにくいところにあるんです。「え?なんでそこに??」という位置なので、誰がどういう目的でこんな牛の頭の像をこんなところに置いたのか??と頭をかしげたくなるような、確かに伝説になってもおかしくない彫像です。
さて伝説はこんな話です。ドゥオモの建築工事が行われていた時、この建築に関わっていた大工の男がドゥオモの向いのアパートに住む人妻と不倫をしていました。ところが、この人妻の夫が二人の不倫を発見してしまいます。そして、この夫は二人の不倫を教会に言いつけました。そのため、大工の男は教会から処罰を受けました。告げ口をした夫に対し、大工の男は怒り、復讐のためにこの牛の頭をドゥオモに置きました。
左端のOの中に牛の頭の像があるのがわかりますか?この牛の視線の先に・・・アパートの窓があります。このアパートこそが、不倫相手のアパートなんです。つまり、大工の男は不倫相手の夫に対し、「あんたの奥さんが浮気していたということを永遠に忘れられないようにしてやる!」という復讐のために、アパートの窓から見える位置に牛の頭の像を置いたというわけです。イタリアでは牛の頭の角(つの)はcorna(コルナ)といいますが、cornaは「浮気の象徴」なんです。
どうですか?!上の写真の通り、こんなにわかりにくい奇妙な位置にあるんですよ!しかも牛には、しっかり角が生えていて、目も見開いています。かなりうまくできている伝説じゃないですか?!なんだかとっても信憑性がある気がしませんか?!
この牛の頭の像は、上の写真のようにドゥオモを正面に見た場合、左側を少し歩いていき、クーポラに上る入り口の左上にあります。
この牛の頭の像、googleマップのストリートビュー(2014年7月撮影)でも確認できます。すごいですね、googleマップ。はっきり写っています。下に行列が見えますが、この行列の先の扉がクーポラへ上る入り口です。この入口の左斜め上、と覚えておけば見つけやすいですよ。フィレンツェに滞在されている方、または近々フィレンツェにいらっしゃる方、是非「牛の頭」見つけてみてください。旅の楽しい思い出になりますよ 😆
こんな美しいドゥオモに「浮気にまつわる復讐」の伝説があるなんて、イタリアってやっぱり面白いです。「永遠に忘れさせないようにしてやる!」という復讐、まさに「永遠」に、しかも何世紀もの間、毎日世界中から来る大勢の観光客の目にさらされているなんて!皆さんも浮気にはご注意ください~?! 😈
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