観光名所ポンテベッキオのそばの道路が陥没・続報
昨日の午前6時半頃、フィレンツェ中心部、観光名所ポンテベッキオ(ベッキオ橋)そばの道路が陥没しました。こちらの話題については昨日のブログポストをどうぞ→「ポンテベッキオのすぐそばで道路200メートル陥没、車20台ダメージ」
なにしろ自宅から徒歩3分ほどの場所ですから、「一体いつになったら水道が復旧するのだろうか・・」という不安がありましたが、意外に早く復旧し昨日の夜に自宅に戻った時は既に水道水が使えるようになっていました。10メートルほどの道路工事に1年もかかることもざらなイタリアですが、ホテルやレストランが多い地域なだけにさすがに水道の復旧は急がれたようです。
昨夜の時点でもまだ道路は封鎖されており、道路復旧は時間がかかりそうです。昨日の地元の新聞報道によりますと、今回の災害の被害額は500万ユーロ、日本円に換算して6億2000万円に上るとのことでした。
ユーモア大好きイタリア人、なんでもパロディー化する国民性
イタリア人はユーモアが大好きで、なんとなくイタリア人全体に明るく楽しそうなイメージがあるのは、「なんでも楽しんでしまえ」というメンタリティーによるところが大きいかと思います。なんでもない会話でも、ちょっとしたユーモアを交えることがイタリア流、ユーモアはイタリア人の生活の潤滑油のような役割を果たしていると思います。すぐに今回の騒動に対し、市民によるユーモアあふれた写真が出回りました。
巨大タコ出現!
すごい完成度の高さで、リアルな写真かと見間違うほど。今回の騒動では、裏話として「水道管の不備は人的ミスによるものかどうか」などの議論が飛び交っているようですが、いっそ巨大タコのせいにしてしまえ!といったところでしょうか。
24時間セルフ洗車サービス
被害にあった車の所有者には大変申し訳ないのですが、思わず笑ってしまう「24時間セルフ洗車サービス」。
フィレンツェの中心地は道路が狭く、慢性的に駐車スペースが不足しているため、駐車するのに毎回困難を極めますが、この近辺もしかり。駐車場所を見つけるのにとても苦労をする地区なので、被害に遭った車の所有者たちもやっとのことで駐車スペースを見つけ「ラッキー!空きがあって停められた~!」と喜んだことだと思います。ところが一夜明けると、この通り。車は水没しているわ、ネット上では騒動をもじったパロディー写真が出回って笑われるわ・・所有者たちはたまったもんじゃありませんね。でも、イタリア人のことですから、この被害もネタにして笑い話にしてしまうような気がします。
イタリアらしい皮肉を交えたメッセージ
ユーモアというものは解説をしてしまうと途端につまらなくなるものなのですが、こればかりはイタリア語、さらにフィレンツェ方言を知らないと理解できないネタなので説明をします。
「PUBLIACQUA : LE BOLLETTE PIU’ CARE D’ITALIA, MA IL SERVIZIO FA LE ※BUHE IN TERRA」
※BUHEはフィレンツェの方言で、BUCHE(穴)のこと。
イタリアには日本並、ひょっとしたら日本以上の方言が存在します。フィレンツェもしかり、方言があります。上の写真ではフィレンツェ独特の言い回しを使って二重のメッセージをこめて表現しています。日本で言う「掛け言葉」のようなものといえばわかりやすいでしょうか。
FARE LE BUCHE IN TERRAは、イタリア語では文字通り「地面に穴を掘る」という意味になるので、
翻訳「公共の水道水:イタリアの中でも高い水道料金、しかしそのサービスは地面に穴を掘る」
ストレートな批判メッセージです。これだけでは別に面白いわけではありません。実はFARE LE BUHE IN TERRA(ファーレ・レ・ブーへ・イン・テッラ)は、フィレンツェ独自の言い回しで「MERAVIGLIOSO(メラヴィリオーゾ=素晴らしい)」という意味で使われます。ですから、この意味でとらえると、
翻訳「公共の水道水:イタリアの中でも高い水道料金、しかしそのサービスは素晴らしい」
今回の騒動は明らかに素晴らしいサービスではないので、「フィレンツェの言い回しではこんな意味があるけど、この騒動に対してはこの意味では使えないねえ!」という皮肉めいて表現しているのです。フィレンツェの騒動なだけに、フィレンツェ独特の言い回しを使いながら、「掛け言葉」として強烈な皮肉メッセージをユーモアを交えて伝えています。イタリア人が日本の「笑点」に参加すれば、座布団を沢山獲得できそうですね~。といっても、イタリア人は正座ができませんが・・。
さて、こういったメッセージを受けて少しは公共サービスが良くなればいいのですが、そんなに簡単に物事が進まないのがイタリアという国。告知なき水道止めは次回はいつになるだろう・・と既に憂鬱になりながら、以前より多くの保存用水を準備しているところです。とほほ・・・。
sako says
きっとお家が近くなのでは・・・と思っていました。徒歩3分とは!大変でしたね。怪我人がいなかったのは本当に不幸中の幸いですよね。水があふれてる映像もみましたが、この道路の陥没、いつになったら元通りになるでしょうね。バスも通れないでしょうし不便がいろいろありありそうですね。
いろいろ面白おかしく捉えてるのはイタリア人だなーと私も見ていました。運河にしてる写真もありましたよ!これいい!と思いました(笑)
早い復興を!でもちゃんと直してほしいですが。
Mako says
sakoさん、いつもコメントありがとうございます。もともとこの通りはバスが通らないのと、意外に早く歩行者&自転車は通行可能になったので生活に変化はないんですよ。ただ、この地区の駐車場探しは駐車スペースが減ったためにさらに競争率が激しくなりそうです。続報をまたアップしましたので、そちらもどうぞご覧くださいませ。
運河にしている写真は私も見ました。他にもアレンジ写真が色々出てきて、イタリア人の想像力の豊かさに驚かされます。しかしまあ、あの巨大タコの写真はインパクトがありすぎですよね~(^^;)