フィレンツェ郊外のCONSUMA(コンスーマ)へ散策に
フィレンツェは盆地で、周りを丘陵に囲まれています。この丘陵には美しい雄大な自然が広がっているので、イタリア人はよく散策やトレッキングに出かけます。車を一時間ほど走らせると標高1000メートルに位置するCONSUMA(コンスーマ)という集落に着きますが、ドライブやツーリングなどが楽しめる人気の場所。ここでも寒い時は雪が積もるのですが、暖冬の影響かまたは既に3月と時季外れのためか、雪はありませんでした。
思わず日本国歌「苔のむ~す~ま~で~♪」が頭に浮かぶような景色。ふかふかの綺麗な苔に覆われた木々。
雪景色の広がる標高1449メートル、SECCHIETA(セッキエタ)へ
CONSUMA(コンスーマ)からどんどん山道を進んでいくと、どんどん気温も下がっていき、ついに・・・
景色がガラッと変わって一転雪景色。もしトンネルがあったら、あの有名な川端康成の「雪国」の冒頭「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」のような感覚に。車でわずか数分でこれだけ景色が変わります。
マイナス2度!空気の冷たさも全く違います。
SECCHIETA(セッキエタ)にはバールとレストランがあります。ここのレストラン、けっこう穴場のようで美味しいという噂を耳にします。この日も大勢の人がランチを楽しんでいました。一度、食べてみたいものです。あまりに寒いのでコーヒーを飲んで温まってから、さっそく銀世界の散歩へ。
夏は鹿も出没するのでしょうが、これだけ寒いと動物の気配は全くありません。と、思ったら・・・
熊?!ゴリラ?!なんなんだ、あの大きな黒い動物は?!モフッモフの長い黒い毛に覆われた巨大な犬でした。日本の童謡「雪」の歌詞のように「雪やこんこ 霰やこんこ。降つても降つても まだ降りやまぬ。犬は喜び 庭駈(か)けまはり、」とはよくいったもので、イタリアでも犬は雪におおはしゃぎで駆け回りまくっていました。
細かい雪も降っていたため、雪と霧に覆われ、真っ白い世界に。100メートル先も見渡せないほど。本格的にトレッキングをする人たちは、しっかり防寒・準備万端で来ていました。ここでも犬は嬉しそうに元気よく歩いています。そんなはつらつと歩く犬を横目に眺めつつ・・・
私はというとあまりの寒さに茫然。マイナス2度の空気は肌を突き刺しているかのような感覚に。写真撮影をするためにちょっと手をポケットから出すとすぐに凍り付くような冷たく感じます。この後、ほっぺたも真っ赤になってしまいました。寒いのはやっぱり苦手です。しかし、周りには美しい銀世界が広がっていました。うっかり手袋を忘れたために、手が赤くなってしまうほど凍えつつも、あまりの美しい景色をカメラに収めたい欲求が勝ち、頑張って写真撮影してきましたよ!どうぞ、イタリアのマイナス2度の世界をお楽しみください。
今年見る雪はこれが最初で最後かも、と思いながら寒さをこらえて雪景色を楽しみました。フィレンツェからわずか車で一時間の場所ですが、こんなに違った景色を見られてちょっと外国へ行ったくらいの気持ちになりました。寒いのが苦手でもなぜか一年に一度は雪を見たくなりますし、幼い頃から雪を見るといつもなんだかウキウキします。日本と同じように四季のあるイタリア、春夏秋冬を楽しめるのはやはり嬉しいことです。さて、このSECCHIETA(セッキエタ)は、熱い真夏でも涼しいので避暑地スポットとしても人気です。雪の無い時のセッキエタは全く違う印象です。

2014年1月撮影
イタリアの春はもうすぐそこ、次回以降は春めいたイタリアをご紹介できればいいなと思っています。
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