ミシュラン星レストランのシェフらが一堂に会し、被災地アマトリーチェへの支援イベント開催
フィレンツェの街並みを一望できるパノラマが楽しめるForte Belvedere(フォルテ・ベルヴェデーレ)で、8月に地震の被害に遭ったアマトリーチェへの支援イベントが先週行われました。その名も「Amatriciana Day(アマトリチャーナ・デイ)」。アマトリーチェの名物料理アマトリチャーナの名前が名付けられたこのチャリティイベントは、フィレンツェを代表するミシュラン星レストランのシェフらが一堂に会してアマトリチャーナ他、趣向を凝らした料理をそれぞれが振る舞うという内容。有名シェフたちの料理を一度に味わえる夢のような体験をしながら、なおかつアマトリーチェへも寄付ができるというイベントとあって参加しないわけにはいきません。500人限定イベントとあり早めに会場に向かいましたが、タイミング悪く開始の一時間ほど前に雨が降り、行列はさほどできていませんでした。会場に入ると、まずはイタリアでは欠かせないワインがお出迎え。
会場はブッフェ形式で、各シェフがそれぞれブースを持ち、シェフ自らが料理を取分け、直接お客さんに手渡します。なかなかシェフと触れ合う機会はないですが、この日はせっかくのチャンスとばかりにイタリア人たちも積極的にシェフたちと会話を楽しんでいました。
フィレンツェでミシュランの星を獲得している有名シェフ、L’Ora d’Aria(ロラ・ダーリア)のMarco Stabile (マルコ・スタービレ)の姿も。Lampredotto in Carrozza (ランプレドット・イン・カッロッツァ)=ランプレドット(臓物)入り揚げパンを出していましたが、これが美味しいのなんの。一緒にイベントに参加したイタリア人の友人たちみんな大絶賛し、お代わりしていたほどでした。ランプレドット(臓物)はフィレンツェ市民のソウル・フードなのですが、その彼らが「こんな美味しいランプレドットはそうそう食べられない」と感動していたほど。さすがはミシュランシェフ!
こちらもL’Ora d’Aria(ロラ・ダーリア)のブース。トスカーナ名物リボッリータ(野菜とパンの煮込みスープ)を、なんと台湾のバブルティーに見立てたもの。準備中の時は、全くどんな一品か想像がつかなかったのですが・・・
写真中央のストローの入った容器がバブルティーに見立てたリボッリータ。完成品を見て、ますます味の創造がつかなかったのですが、ストローで吸い込んでごくり。すると・・・「うわ~美味しい!」と思わず声を出してしまうほどの美味しさ。つぶつぶの野菜の触感といい、最後に注がれた生クリームのコクといい、すべてが見事の調和していました。恐るべし、L’Ora d’Aria(ロラ・ダーリア)!タイミング合わず予約ができなかったりと未だに行ったことが無いのでいつか必ず行こうと思います。
ちなみにオーソドックスなリボッリータはこんな感じです。
→ フィレンツェ名物リボッリータ Ribollita
イベントに協賛したシェフ&レストラン名は以下の通り。( )内がレストラン名。
Gabriele Andreoni (Santo Graal)
Fabio Bianconi (‘321)
Massimiliano Catizzone (Florian)
Simone Cipriani (L’Essenziale)
Deborah Corsi (La Perla del Mare)
StefanoPellegrino Frassineti (Toscani da Sempre)
Paolo Gori (Da Burde)
Vito Mollica (Il Palagio)
Entiana Osmenzeza (Gurdulù)
Maria Probst (La Tenda Rossa)
Filippo Saporito (La Leggenda dei frati)
Beatrice Segoni (Konnubio)
Marco Stabile (L’Ora d’Aria)
Federico Mariutti (Osteria Turlonia, Fiume Veneto )
“Trovato Food Project” Siena
これだけのシェフの料理を一度に味わえるなんて、夢のような企画。天候が回復すると、次から次へとお客が流れてきて最後はすし詰め状態に。もし、これが天候に恵まれていたら、どんなカオスになっていたのでしょうか。
ゆっくり料理の写真も撮影したかったのですが、この人混みでにっちもさっちも行かず断念。お見せできないのが残念なほど、どの料理も趣向を凝らした一品ばかりで、見た目にも美しいお料理ばかりでした。
デザートはフォーシーズンズホテルのレストランIl Palagio(イル・パラージョ)のチョコレートとコーヒーのケーキ。金箔がかった美しいケーキはしっとり柔らか。会場に早めに着いたため、まだ人のまばらな時に多くのシェフのブースを回れたため、最終的には全ての料理を堪能しました。一緒にいたイタリア人たちも「こんなにクオリティーの高いブッフェは初めてかも」と大満足の様子。
入場料は最低20ユーロ以上(寄付をしたい分だけ)、最終的には250人が参加し、3時間程度で合計金額7200ユーロ(83万5200円程度が集まったようです。あいにくの天候(雨&肌寒さ)の影響で500人には達しませんでしたが、用意された料理は全て完食、デザートやワインまで全て無くなっていました。
このイベントはレストランの宣伝としても効果大、実際に私も特に美味しかった料理のレストランへ行ってみようと思ったほどです。新たに美味しいレストランの発見もできた素晴らしいチャリティイベント、第二弾があるといいなあと願いながら、こっそり人目を忍んでベルトの穴をひとつずらしておりました。。。
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