JFN系列ラジオ番組「ON THE PLANET」、イタリア担当レギュラーになりました!
全国38局のFM局が加盟しているJFN系列のラジオ局番組「ON THE PLANET」というラジオ番組に10月から出演するようになりましたが、晴れてイタリア担当のレギュラーゲストになりました!来年も1〜2ヶ月に1回ほど出演することになりますのでラジオの方もどうぞよろしくお願いいたします!
さて、今回お話したテーマは「イタリアのクリスマス」でした。聴いてくださった方もいらっしゃいますでしょうか。聴けなかったという方にラジオで話した内容についてお伝えします。(※以下の内容は放送内容と全く同じではありません。ラジオ出演用に事前にまとめた原稿です。)
JFN系列ラジオ番組「ON THE PLANET」で話したイタリアのクリスマス事情
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• イタリアではクリスマスの事をなんというのですか?
イタリアではNATALE(ナターレ)といいます。メリークリスマスはBUON NATALE(ブオン ナターレ)で、サンタクロースのことはBABBO NATALE(バッボ・ナターレ)といいます。
それから一足早いですが、あけましておめでとうございますはFELICE ANNO NUOVO(フェリーチェ・アンノ・ヌオヴォ)といいます。
日本では年賀状が一般的ですが、イタリアではクリスマスのメッセージと年賀状が一体化した挨拶状を送る習慣があります。日本では元旦に届きますが、イタリアではクリスマス前に届けます。ただ、イタリアもインターネット化により、最近ではソーシャルネット上でメッセージを掲載したりメールを送ったりするだけだったりします。もちろんクリスマスプレゼントを渡す時にはちょっとしたメッセージカードが添えられることはよくあります。
• イタリアはヴァチカンお膝元ですが、クリスマスはどのように過ごすのですか?
イタリアでは家族と過ごすのが一般的です。日本でいうところのお正月をイメージしてもらえばいいと思います。イタリアのクリスマスは日本のお正月で、イタリアのお正月は日本のクリスマスといったイメージです。
クリスマスは伝統的な祝日で、伝統的な食事を家族みんなで楽しみます。南イタリアの方では24日の夕食が特に重要で魚料理を食べるのが定番です。一方、私の住む中部イタリアのトスカーナでは25日のランチが大事で、この日にみんなが集まって食事をし、プレゼント交換をします。
面白いのは25日のクリスマスランチの後は、なぜか映画館に行く人が多いことです。25日の夕方から夜の映画の上映は大混雑でチケットが売り切れたりするほどです。また、ランチをお腹いっぱい食べるので、その腹ごなしというか、街を散策する人も多いです。フィレンツェなどの中心地でも25日は多くのお店が休みですが、この日の散策は買い物目当てではなく、ただ単に散歩するといった感じで、みんなぶらぶらおしゃべりしながらただ散歩しています。
それから24日のクリスマスイブの夜には教会で盛大なミサが開かれます。フィレンツェの観光名所ドゥオモのミサに参加したことがありますが、延々と何時間も続いて深夜にまで及ぶので驚きました。
一方、イタリアのお正月は日本でいうところのクリスマスみたいな感じで、1月1日のみ祝日で学校も仕事も休みになりますが、この日は日本のように家族揃って食事というような伝統はありません。むしろ友人や恋人とパーティーに出かけたり、旅行に出かけたりします。
• クリスマスシーズンは25日までなんですか?
クリスマスシーズンは11月末から1月の初めまで続きます。エピファニアの日という宗教関連の祝日が1月6日にあるため、12月25日から1月6日までが学校などが休みになります。日本では25日が終わるとすぐにクリスマスの飾り付けからお正月の飾り付けに変更されますが、イタリアでは6日までそのままクリスマスの飾り付けが残っています。
面白いのは日本ではクリスマスには靴下を吊るして、煙突から入ってきたサンタクロースが靴下の中にプレゼントを入れてくれるとなっていますが、イタリアでは全く話が違います。靴下の中にプレゼントを入れる習慣はこのエピファニアの日なんです。しかもプレゼントを入れるのはサンタクロースではなくベファーナという魔女。その年の行いが良かった子供には嬉しいプレゼント、行いが悪かった子供には炭を靴下の中に入れるというもの。クリスマスにイタリア人に靴下にプレゼントを入れて手渡すと「なんで?」となってしまいますのでお気をつけくださいませ。
• 12月に入ると街はクリスマスムード一色になるのでしょうか?
はい、街中のショーウィンドーがクリスマスの飾りになりクリスマスムードになります。12月の週末ともなると、どこかしらでクリスマスマーケットが開かれるようになります。クリスマスマーケットと一言で言っても色々あり、チャリティーが絡んだものや、ドイツ風の屋台が並ぶものまで様々です。
• イルミネーションなどもあるんですか?
今年のフィレンツェは大通りでは11月下旬からイルミネーションの飾り付けが行われあましたが、街中イルミネーションで飾られとても綺麗です。サマータイムが終わると日没がとても早くなり、この時期のイタリアは早く暗くなってしまいますが、イルミネーションが綺麗なのでこの時期は夜の街歩きも楽しいです。フィレンツェでは12月8日に街のシンボルドゥオモの真ん前に巨大なクリスマスツリーを飾り付けてライトアップの点灯式を開催するのが伝統で、この点灯式にはフィレンツェ市長も参加します。
• 日本ではチキン、アメリカでは七面鳥を食べますが、イタリアではどんな物を食べるのですか?
日本でもお正月のお雑煮が地域によって異なるように、イタリアでも地域によって伝統的なクリスマスの食事は少し違っていたりします。私が住むトスカーナ州について話しますが、ここではトルテリーニ・イン・ブロードという料理が定番です。トルテリーニはラビオリのようなもので、トルテリーニの入ったスープのことです。また、このスープのダシをとるのにカッポーネという去勢された雄の鶏を使うのが伝統で、ダシを取った後のカッポーネもソースなどととも頂きます。
前菜やメイン料理などは自由で色々ありますが、デザートは伝統的なものがあります。日本でも有名なのはパネットーネですが、それ以外にも色々有ります。例えばパンドーロというドライフルーツなどが入っていないシンプルなシフォンケーキのようなお菓子があります。それからトスカーナでは、ricciarelli (リッチャレッリ)というアーモンドベースのビスケット、cavallucci(カヴァルッチ) というアニスやコリアンダーなどスパイスが沢山入ったビスケット、panforte (パンフォルテ)というナッツやドライフルーツが入った歯ごたえのあるお菓子も伝統的なクリスマス菓子なのですが、日本人には耳慣れないお菓子かと思います。イタリア人に日本ではイチゴの入った生クリームケーキが定番だと言うととても驚かれます。
• プレゼントなどもあるんですか?どんな風に渡されるのでしょうか?
プレゼントは綺麗にラッピングされクリスマスツリーの下に飾られます。決まりなどはないと思いますが、25日のクリスマスランチの時にそれぞれプレゼントを渡され、その場で開けます。日本のように後で開けてね、といった習慣はなく、誕生日でもその場ですぐ開封するのがイタリア流です。
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◆来年は2月14日(金)の深夜1時10分頃から、内容は「イタリアのバレンタインデー」についてです。バレンタイン発祥の地イタリアのバレンタイン事情について詳しくお話しますので、どうぞお楽しみに♪
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