北イタリア・リグーリア州の州都、ジェノバへ
ピエモンテ州のすぐ下に隣接するリグーリア州は、海沿いの風光明媚な景観を目当てに世界中から観光客が訪れる州です。その州都のジェノバは人口およそ58万人の、イタリア最大の貿易港のある街です。現在も歴史ある大規模な街並みが残っており、栄華だった過去の様子が今も見て取れます。また食べ物では、日本ではジェノヴェーゼとして有名なPesto alla Genovese(ジェノバ風のペースト)というバジリコ(バジル)のペーストが郷土料理として有名です。
昔の繁栄が今も感じられる荘厳で美しい街並み
ヴァッレ・ダオスタ州からピエモンテ州へ南下し、そのままフィレンツェへ戻る予定でしたが、いつも車で通るだけで観光はしたことのないジェノバにも少し寄ることに。高速道路を降りると海沿いの美しい街並みの景色が広がっていました。街の中心地も美しく大きな建物が立ち並び、その美しさに圧倒され、すぐに「これはしっかり観光してみたい」と思い、ジェノバにも一泊することに。イタリアに滞在するようになって、旅行はいつもフリープランになりました。スマートフォンでホテル予約もレストラン探しもすぐでき、なんとも便利な世の中になったものです。
ジェノバで本場のジェノベーゼを
日本でも有名なイタリア料理のひとつ、ジェノバ風スパゲティ。緑色のバジリコソースは、ここジェノバで生まれた郷土料理です。ジェノバだけでなく、イタリア全土でもよく食べられる料理です。せっかくジェノバに来たからにはやっぱりジェノベーゼを食べたい。選んだのは地元料理が食べられるフェッラーリ広場からほど近いC’era una Volta(チェラ・ウナ・ヴォルタ)というトラットリアです。
店内はとても広く、4つの部屋に分かれています。どの部屋もかわいらしく飾られていて、とてもオシャレ。この日は1月2日とお正月バカンスが続いていたので超満員でした。
厨房はガラス張りで二人の若いシェフがひっきりなしに入るオーダーに対応していました。
Antipasto misto “C’era una volta”
イタリア人が大好きな、Coccoli(コッコリ)と呼ばれる揚げパンのようなものに、
チーズのフリット、様々なトルタ(キッシュ)の前菜。
Pansoti in salsa di noci
ミックス・ハーブの詰め物のラビオリ、クルミのソースがけ。こちらもジェノヴァ料理です。
Trofiette al pesto
ジェノベーゼはこちら。バジリコ(バジル)、イタリアンパセリ、パルミジャーノレッジャーノチーズ、松の実、ニンニク(入れない場合もあり)、エキストラバージンオリーブオイルで作るのがジェノベーゼペースト。ペーストがよく絡むTrofiette(トリフィエッテという、細長くねじった形のリグーリア州のパスタで頂くのが一般的です。ジェノベーゼのパスタはフィレンツェなどで食べてきたものと、そう変わらないというのが正直な感想。旬でもなかったので、次回は旬の時期に食べてみたい。
Buridda di seppie
イカをトマトとじゃがいも、イタリアンパセリで調理した料理。
C’era una Volta(チェラ・ウナ・ヴォルタ)
URL: http://www.trattoriaceraunavolta.net/en/menu-eng
住所: Vico Casana 9/1, 16123, Genova, Italia
電話: +39 010 246 1678
食後はジェノバの街を散策。細い路地がいくつもあり、路地にはかわいらしいお店が軒を連ね、街歩きがとても楽しい街でした。次回は昼間のジェノバをお伝えします。美しい建物の数々、世界的に有名なあの人の家をご紹介します。
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きたとしかず says
どれもリグーリアらしいお料理ですね!
ceci粉をこの地方では良く使用するのですが、この粉を使った衣揚げをcuculli と呼んでいます。
あと地元ではこだわりがあるようで、pestoもパルミッジャーノやグラナパダーノではなくペコリーノで作らないといんちきだといわれたことがあります。またもう昔の話なので詳細は忘れましたがpestoをEUの原産地保護制度の対象にという話に対して、その基準のほうが甘かったため(松の実をナッツとしたとか)その話を蹴ったという話を聞いたことがあります。なんかイタリアらしいな~と感じます。
Mako says
きたさん、コメントありがとうございます!
cuculliはceci粉が使われているんですね。トスカーナのトラットリアなどでも前菜でよく出てきますよ。Pestoはペコリーノを使うのがオリジナルなのですか?!これには驚きました。
私はチーズ全般大好きなのですがペコリーノだけは少々苦手でパルミジャーノ版がいいなあ(^^;)
Pestoはフィレンツェのスーパーのお惣菜コーナーでも販売されていますが、「Coop(生協)派」や「Esselunga(エッセルンガ)派」など、みんなそれぞれお気に入りがあって面白いです。手作りに勝るものはありませんが!
ジェノヴァではPestoのコンテストが開かれたというニュースを見たことがありますよ。