イタリアの年末年始の過ごし方については、今年初めにご紹介しました通り、日本のお正月のように家族と過ごす伝統的な祝日はイタリアではクリスマス、年末年始は逆に日本のクリスマスのように友達や恋人と楽しみます。→「イタリアの年末年始の過ごし方①田舎の別荘で暖炉を囲んでパーティー」「イタリアの年末年始の過ごし方②フィレンツェでカウントダウン」
年末年始、南フランスへ
今年度、年末年始は旅をしました。行先は南フランス、マルセイユ。フランス語ではMarseille(マルセイユ)、イタリア語ではMarsiglia(マルシリア)です。イタリア・フィレンツェからは約630キロ(日本の東京都~岡山県ほど)です。
車で行きましたが、国境には何もありません。突然、道路標識がイタリア語からフランス語に変わっただけで、改めてユーロ圏が統一されたことを実感しました。どこの国とも隣接していない日本では考えられない世界で、やはり不思議な感覚に陥りました。景色から言しても、国境を挟んで何かが劇的に変わるわけではありませんでした。この辺りの住民の言語環境はどんなものか知りたくなりましたが、おそらくフランス語・イタリア語が入り混じっているのではないかと思います。
この写真撮影時はまだイタリア。高速道路を通っていますが、日本のように年末渋滞は全くありませんでした。
何の検問もなく、標識から国境を超えたことがわかると、すぐ道路標識がフランス語表記に。イタリア語と英語も併記されていました。
標識に南フランスの各地名が表示されるようになりました。その中でもマルセイユはとっても遠い。フランス入りしてからまだ200キロ以上もありました。
イタリア、フランスともに高速道路の制限速度は130キロ(雨天時等は110キロ)です。イタリアにはスピード自動測定カメラがいたるところについているので、スピード違反はしっかり罰金が課せられるようです。イタリア・サッカー代表バロテッリ選手もフェラーリでスピード違反をすること18回、しかもそれが未払いだったことで話題にもなりました。
年末年始は冷え込んだイタリアとフランス、雪トラブルを避けるために少しだけ遠回りルートを選んだため、結局8時間近くかかりましたが、ようやくマルセイユのシンボルともいえるノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院が見えてきました。遠くからでも見えるほど巨大で高台に位置しています。
マルセイユはフランス最大の港湾都市。ウィキペディアによると、2011年時点での人口は約85万人、都市圏としてはパリ、リヨンに次ぐ、フランス第三の都市のようです。マルセイユは地下鉄が発達しており、深夜まで運行しているので、移動がとても便利でした。地下鉄車両も駅も綺麗で治安の悪さは感じません。
マルセイユの地下鉄は表示も見やすく、利用も簡単です。
マルセイユの中心地は可愛らしいお店もちらほら。こちらはフランスらしいキュートなカフェテリア。入ってみたかったのですが、タイミングがあわず戻った時には閉店で残念でした。
イタリアのナポリを思わせるカオスな一面もあります。この界隈は魚屋など市場が建ち並んでいる地区でしたが、市場が閉まった後は、ごみの山が。
マルセイユの街の雰囲気は、私の印象ではイタリアの港湾都市ナポリと似ている気がしました。そしてマルセイユでの楽しみもナポリと同じ、シーフードです。残念ながら名物のブイヤベースは食べなかったのですが、美味しい新鮮な魚介類は堪能してきました。数年前にマルセイユを訪れたというイタリア人の友人に勧められたレストランを探し、そこかどうかは結局不明でしたが、良さそうなレストランが見つかったので最初の夕食はここに決まり。それがこちら。
飲み物やパンなどはセルフサービスで、生牡蠣などは注文すると後から運んでくれるレストラン。
巻貝をスティックでくるくる巻いて取り出して食べる一皿。お客さんほぼ全員が食べていたんじゃないかというほどよく食べられていたので、セルフサービスで選んでみましたが、納得の美味しさ。日本人だったら大好きな味です。
生ガキの盛り合わせは5種類の牡蠣を堪能できました。フランスではシンプルにレモンを絞るかレモンなしで頂きます。
ムール貝の白ワイン蒸し。イタリアとはまた違った味付けでこれまた美味しい。セロリと玉ねぎも入っていました。
地元のフランス人らしき人たちでほぼ満員だったので、きっと美味しいんだろうと思って入ったところ大正解。牡蠣のことをフランス語でなんというかわからなかったのですが写真メニューもあり、それを見て選べました。イタリア語ではostrica(オストリカ)といいますが、後に調べたところフランス語ではhuître(ユイットル)というようです。フランス語はやっぱり発音が難しいですね・・・。私は出身地が三重県なので、的矢牡蠣をよく食べていましたが、フランスの生牡蠣も負けず劣らずとっても美味しかったです。
レストランから出る時に、店頭で生ウニの盛り付け作業をしているのを見かけて見入ったところ、その作業をしていた人はイタリア人でした。イタリア語で「残念、生ウニをフランス語でなんていうかわからなくて食べ損ねたの~」と言ったところ、「味見してごらん。」と生ウニをサービスしてくれました。殻から取り出したばかりの生ウニ、甘くてこれまた絶品でした。
レストランから出た後は、夜の港界隈へ散歩に。
マルセイユの港もライトアップされて綺麗です。
クリスマスイルミネーションはシンプル。街が美しいので、このくらいのライトアップの方が美しさが引き立つ気がします。
ポップなカラフルなレストランはなんと回転寿司でした。なんだかテーマパークのようです・・。マルセイユは港町ですから魚介類も新鮮。お寿司も美味しいのではないかと思い、とても気になりましたが、結局一度も食べませんでした。
少しだけ心配していたマルセイユの治安ですが(ナポリと同じで、あまりよくないと言われています)悪事を働こうにも体が動かない?!というほどの寒さでしたので、全く危険は感じませんでした。日本人を始め、アジア系の人は観光名所ノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院以外ではほとんど見かけなかったのも印象的でした。ただ、ある一か所のみ、エレベーターを偶然日本人が占拠する場所がありましたので、それについてはまた別の回で書きます。
マルセイユは観光都市ではないので、そんなに特産・名産物がないようですが、こちらはマルセイユ名物として有名なPASTIS(パスティス)というお酒。イタリアでもよく飲まれています。ウィキペディアによると販売・製造が禁止されたアブサンの代替品としてマルセイユで作られたのが由来とか。このパスティス、もとは透明のリキュールなのですが、水や氷を入れると白濁して上の写真のような色に変わります。正直言って・・私は苦手。日本人には馴染みのない味です。スターアニス、リコリスといったハーブが使われているのですが、どちらも苦手な私。甘くて、かなり強烈な味。好きな人には癖になる味のようですが。私はイタリアでも試しましたが、いまだに慣れません。このパスティス、日本でも販売されているようですので、まだ味わったことのない物を味わってみたいという方はどうぞチャレンジしてみてください。
次回日は未定ですが・・・南フランスの旅はまだまだ続きます。美しい南フランスの自然の写真などお楽しみに。
生牡蠣を食べたレストラン情報:
TOINOU Les Fruits de Mer
HP http://www.toinou.com/
住所 3 Cours Saint-Louis, 13001 Marseille, France
電話 +33 4 91 33 14 94
①南フランスの旅(1)マルセイユMarseille
②南フランスの旅(2)マルセイユ2日目
③南フランスの旅(3)ル・コルビュジエと絶景の海とちょっと贅沢なフランス料理
④南フランスの旅(4)ゴッホの夜のカフェテラス
⑤南フランスの旅(5)大自然に癒されつつ恐怖の光景に驚くカランクCaranque
⑥南フランスの旅(6)豪華絢爛・浮世離れした隣国Monaco
⑦南フランスの美味しいお土産
⑧とろ~り美味しいオシャレなカマンベールフォンドゥ
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