イタリアで大人気!オシャレなブラジル寿司レストラン
イタリア人から「手巻き寿司が美味しいTemakinho=テマキーニョっていうレストラン知ってる?」と聞かれた時、これまたなんともインチキ和食レストラン風なネーミングだと思ってしまったのですが、そうではありませんでした。ブラジル風にアレンジされた寿司レストランで、ミラノに2軒、ローマに2軒、スペインのイビサ島に1軒あります。
今から100年以上前、日本からブラジルへ多くの日本人が移民として渡り、現在ではブラジルに世界最大の日本人コミュニティがありますが、テマキーニョの寿司はブラジルの日系人たちが、現地の食材を使ってアレンジしたブラジル風の寿司。日本の寿司とは違って、ピリ辛いソースが使われていたり、マヨネーズが使われていたり。
日本のように寿司に適したお米、新鮮でバラエティに富んだ生食ができる魚介類が手軽に手に入る環境が整っていれば、やはり日本風の伝統的な寿司が美味しいと思うのです。しかし、ミラノのようにお米も生食用の魚のクオリティーも日本とは異なり、日本の寿司職人を簡単に雇えない環境では、日本と同様の価格で同レベルを求めるのは難しい。
そういう背景があるので、地元の食材を使って色んな味付けアレンジで美味しく、また難しい握りではなく手巻きや巻き寿司を提供するブラジル風寿司はいいアイデアだと思いました。寿司職人経験の無い人によって中途半端に見様見真似で作られた日本風の寿司よりも、正直言ってずっと美味しい。
さて私が食べたのはミラノの洗練されたブレラ地区にあるテマキーニョ。まるでおしゃれカフェのような雰囲気で、お客さんもファッションに気を使っているミラネーゼだらけ。
イタリアでは珍しいカウンター席も。中は広々二階建てで、外にテラス席もあります。
カクテルはテマキーニョスペシャルの、日本酒を使ったカイピリーニャでその名も「サケリーニャ」をオーダー。イチゴ味やマンゴー味など色んな味があって楽しい。肝心の日本酒の味はあまりしませんでしたが、とても美味しかったです。こんなフルーティーなカクテルにも合う寿司ってどんなもの??と期待が高まります。
先がつながっているお箸が提供されているのですが、これは日本人にはなんとも使いにくい。つながっているだけでなく、箸が平べったいので、これまた一層使いにくい。日本人には普通のお箸が欲しいところですが、お箸に慣れていない外国人にはこれが使いやすいよう。結局手づかみで食べました。
圧巻される巨大な手巻き寿司が出てきました!大きいのなんの。この豪快さもヨーロッパの人にウケている要因なのかもしれません。私が選んだのはソフトシェルクラブのフライの手巻きずし。甘辛ソースとマヨネーズ、アボカドとともに巻かれています。このソフトシェルクラブの美味しいことといったら!噛めば噛むほどカニの旨みが出てきて、マヨネーズや甘辛ソースとも合います。これ、とっても癖になる美味しさ。
こちらはマグロとポルチーノきのこの巻き寿司。ソフトシェルクラブの手巻きずしが非常に美味しかったので、ついつい期待度も上がってしまったのですが・・・少々残念な味でした。マグロとポルチーノの素材同士が喧嘩してしまって、味がバラバラ、なんともしっくり合わない。これは別々で食べたい素材の組み合わせだと思いました。
ただ、この日本人でも思いつかなそうなマグロとポルチーノの組み合わせに挑戦してみた心意気には感心しましたし、日本では手に入りにくい生ポルチーニを調理して握る寿司というのも「イタリアでこそ食べられる寿司」として面白いと感じました。
寿司を現地で手に入る素材で気軽に楽しむというアイデアがユニークなテマキーニョ。なんとも癖になるレストランで、たまにふと「あ~、テマキーニョに行きたいなあ!」という気分になります。
TEMAKINHO(テマキーニョ)
URL: http://www.temakinho.com/
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