日本公開10月28日、映画「インフェルノ」はフィレンツェが舞台
イタリアでは一足早く10月13日に公開された映画「インフェルノ」、日本公開はいよいよ本日。当ブログでも何度もこの映画についてご紹介してきましたが、映画を観るとフィレンツェに行ってみたくなるほど、フィレンツェの観光名所がふんだんに出てきますよ。今回は「インフェルノ」に登場するフィレンツェの名所を、フィレンツェ在住の私が総まとめしました。これからフィレンツェへ観光でいらっしゃる方は、映画と当ブログをご覧頂いてから訪れるといっそうフィレンツェ観光を楽しめますよ!
(1)Badia Fiorentina:映画の冒頭、ハラハラドキドキの塔での逃避行
映画の冒頭、謎の逃走劇が繰り広げられます。木造階段を上り、塔の上まで追い詰められた男。このシーンで出てくる塔はフィレンツェのシンボル、ドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)の近くにあるBadia Fiorentina(バディア・フィオレンティーナ)の塔。
フィレンツェの塔といえば、有名なのがドゥオモの隣に立つジョットの鐘楼のため、この塔はフィレンツェの観光名所でいえば地味な存在。ツアー旅行でもまず立ち寄られない塔なのですが、この映画の重要なシーンで使われ一躍スポットライトを浴びました。これから人気が出る観光スポットになるかもしれませんが、残念ながら映画のように塔に上ることはできません。
(2)Porta Romana/Giardino di Boboli:逃走&謎解きへの出発点
ラングドン博士とシエナ女医の逃避行は、Porta Romana(ポルタ・ロマーナ)から始まる。車をポルタ・ロマーナで降り、壁を這い上って庭へ侵入し、ドローンに上空から追いかけらながら必死で逃走する。この庭はPalazzo Pitti(ピッティ宮殿)にあるGiardino di Boboli(ボーボリ庭園)。
ボーボリ庭園はフィレンツェ市民は無料、それ以外の人はピッティ宮殿の美術館と共有チケットを購入すれば、誰でも入園できます。映画ではラングドン博士とシエナ女医はポルタロマーナからピッティ宮殿の脇にあるGrotta del Buontalenti(ブオン他レンティの洞窟)まで走っていますが、距離にして1.2キロほどあります。
(3)Grotta del Buontalenti:秘密の扉1
ピッティ宮殿からウフィッツィ美術館、ベッキオ宮殿へは実は秘密の回廊で全てつながっていて、地上に降りることなくそれぞれにたどり着くことができます。この回廊への入り口の「秘密の扉」はピッティ宮殿脇にあるGrotta del Buontalenti(ブオンタレンティの洞窟)の正面から見て左側の扉です。ひっそりと目立たない扉なので見落としてしまうほど。ラングドン博士たちはこの扉から回廊へと逃走を続けます。
(4)Corridoio Vasariano~Gallerie degli Uffizi:逃避行は続く
秘密の扉から入り、Ponte Vecchio(ヴェッキオ橋)の上を通る”秘密の回廊”Corridoio Vasariano(ヴァザーリの回廊)を抜け、さらにGallerie degli Uffizi(ウフィッツィ美術館)を通って、地上に降りることなくPalazzo Vecchio(ベッキオ宮殿)にたどり着きます。距離にして400メートルほど。
Corridoio Vasariano(ヴァザーリの回廊)
メディチ家が作った「秘密の回廊」として有名なヴァザーリの回廊は予約制で見学も可能です。
Gallerie degli Uffizi(ウフィッツィ美術館)
Galleria degli Uffizi(ガレリア・デリ・ウフィッツィ=ウフィッツィ美術館)は、近代式の美術館としてはヨーロッパ最古の美術館の1つで、イタリア国内の美術館としては収蔵品の質、量ともに最高の美術館。展示物は2500点にも上ります。メディチ家歴代の美術コレクションを収蔵する美術館であり、イタリアルネサンス絵画の宝庫です。冬以外は長蛇の列ができることが多いので、事前予約がお勧めです。
(5)Palazzo Vecchio, Salone dei Cinquecento:
謎解きのキーワード探し、そして追い詰められて・・・
Palazzo Vecchio(パラッツォ・ヴェッキオ=ヴェッキオ宮殿)はアルノルフォ・ディ・カンビオによって建設された宮殿で、もともとフィレンツェ共和国の政庁舎として使用され、一時メディチ家もここに住んでいました。圧巻なのは「Salone dei Cinquecento(500人大広間)」で、ラングドン博士もここで謎解きのキーになる絵画を探します。
(6)Palazzo Vecchio, Sala del mappamondo:秘密の扉2
ヴェッキオ宮殿は500人大広間の他、「Sala del mappamondo(地図の間)」も出てきます。ここには秘密の扉があり、ラングドン博士はこの扉を抜けてさらに逃亡します。現実には地図には触れられませんので、観光では扉の向こうへは行けません。
(7)Battistero di San Giovanni:謎解きのキーワード探しは続く
ヴェッキオ宮殿を抜け出し、次なるキーワードを探しにBattistero di San Giovanni(サン・ジョヴァンニ礼拝堂)へ。
サン・ジョヴァンニ礼拝堂はフィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂付属の洗礼堂で、大聖堂の真正面に位置する。外観からは想像できないが、中は黄金色に輝くモザイクが見事。映画の中では内観もしっかり見ることができます。サン・ジョヴァンニ礼拝堂は入場料を支払えば誰でも観光できます。外側の汚れを落とす作業が行われたため、現在は真っ白で真新しい建造物のようにさえ見えますが、11世紀に起工されたもの。
(8)Ponte Vecchio:ラングドン博士の追跡者たちが何度も通る橋
フィレンツェで最古の橋、Ponte Vecchio(ポンテ・ヴェッキオ=ヴェッキオ橋)。ラングドン博士を追跡する人たちが何度も通るので映画では度々登場します。フィレンツェの中心部を流れるアルノ川にかかるこの橋は、もともと精肉店が並んでいた橋でしたが、16世紀に貴金属店に替えられ、現在も美しい宝飾店が軒を連ね、いつも観光客であふれかえっています。
(9)Lungarno:フィレンツェ名物のピンクの夕焼け
フィレンツェの夕焼けはピンク色に空が染まることが多く、映画の中でもそのシーンが登場します。特にLungarno(アルノ川沿いの道)はアルノ川もピンク色に染まりとても綺麗ですが、映画の中ではヴェスプッチ橋の交差点が出てきます。
(10)Italo:フィレンツェからヴェネツィアへ向かう私鉄
映画に出てくるイタリアの私鉄Italo(イタロ)。やけに何度も出てくると思ったら、案の定、映画のスポンサーをしていました。全世界に向けて公開される映画なのでいい宣伝になりますね。イタロは、フィアットの会長やトッズの社長らが共同出資して設立されたイタリアの事業者の電車の愛称で2013年に運用が開始されました。フェラーリと同じ赤色の車体が特徴的。ローマ中央駅には停車しないので、ローマ観光の際は注意が必要。
総距離は約4キロ、「インフェルノ」コースは一日でも回れます!
ラングドン博士とシエナ女医がフィレンツェの歴史的地区を駆け抜けた距離は約4キロ。映画の中ではずいぶん移動しているように見えますが、フィレンツェの中心地は広くないため1日でも「インフェルノ」コースをめぐることはできますよ。これからフィレンツェへ観光に行く予定のある方は映画「インフェルノ」必見です!
Masa says
明日、ミラノよりフィレンチェにいきます。
ダンブラウンが好きなため、「フィレンチェ インフェルノ」で検索したら、この記事を拝見しましたw
ミラノにきて1ヵ月ほどであまりフィレンチェの準備ができていないのですが、参考にして街歩き・ウフィッツィ美術館めぐりをしたいと思いますw
ありがとうございます。
Mako says
Masaさん、コメントありがとうございます。
お返事が遅くなってしまいましたが、フィレンツェ観光は楽しまれましたでしょうか。街歩きの後にまた映画を観ると新たな発見などがあって楽しめるかと思います。ダン・ブラウンの「天使と悪魔」もお読みになりましたか。ローマ観光の前に読むといっそう街歩きを楽しめますよ。
名取義之 says
Tommy
Makoさん、インフェルノまとめありがとうございます。自分はラングドンシリーズが大好きで、今丁度ORIGINを読み始めたところです。年末にはローマとフィレンツェに行こうと思っており、この記事のスポットも回らせてもらおうと思うのですが、こちら以外でおすすめの観光スポットがあったら是非教えていたただきたいです!
Mako says
名取さん、コメントありがとうございます。上記以外でしたら、ミケランジェロ広場からフィレンツェのパノラマを一望することお勧めします。あとはやっぱりビステッカを堪能くださいませ。ビステッカのお勧めレストランはこのブログでもご紹介していますので参考にご覧ください。