新作「007」の舞台はイタリアの世界遺産の街、マテーラです!
「007」シリーズの第25作目となる最新作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」。俳優ダニエル・クレイグ氏がジェームズ・ボンドを演じるのは今回が最後で、2020年4月公開のこの作品は世界各地で撮影が行われています。そして9月にはイタリア南部の街マテーラでも撮影が行われました。マテーラは洞窟住居で有名な街で世界遺産にもなっており、2019年の欧州文化首都にも選ばれています。3年ほど前からマテーラに国鉄とItaloの駅も新設されたため、電車でも簡単に行けるようになりました。そんなマテーラの街を映画公開より一足早くチェックしましょう。
唯一無二のパノラマ、洞窟住居がひしめくマテーラ
サッシと呼ばれる洞窟住居が岩山と一体化したような独特の景観が魅力の街、マテーラ。マテーラは南イタリア・バジリカータ州の街でナポリから南東へ255km、車で3時間ほどの位置にあります。バジリカータ州出身の友人アンナ・ネリーナ・オリランディーニさんの実家へ遊びに行った時、彼女から「バジリカータに来たらマテーラを見なくっちゃ!」と勧められ、日没前後の2回マテーラを案内してもらいました。
マテーラの洞窟住居群ができた正確な時期はわかっていませんが、イスラム勢力を逃れた修道僧が住み着いてできたのが始まりとされています。
案内してくれた友人のアンナ・ネリーナさんはマテーラについてこう語ってくれました。
「私たちバジリカータ州民にとってマテーラは、長い歴史とその美しさから最も重要な街です。マテーラを歩くことは、現代では忘れてしまった過去にしか存在していないような時を過ごしている気分を味わえ、大変な時期もあったけれど沢山の生活があったこの洞窟住居群の過去を垣間見ているような錯覚に陥ることができます。マテーラの魅力を味わうには、この迷路のような洞窟住居群の中で迷子になってしまうことをお勧めします。そうすれば、ここでしか味わえない過去にタイムスリップしたかのような錯覚に身を委ねることができますよ。
数々の絶景ポイントがあるマテーラですが、洞窟住居全体を一望できるのは、街の一番高台にあるドゥオモ前の広場。ここからの眺めは圧巻で、この街の歴史に思いを馳せることができます。
日没後のライトアップされた妖艶な雰囲気のマテーラも必見
マテーラは日没後は、日中とまたは異なった表情を見せてくれます。アンナ・ネリーナさんは「夜のマテーラも見てほしいから」ともう一度マテーラに案内してくれました。
街全体がピンク色に染まる夕焼け時とライトアップされたマテーラの夜景は幻想的かつ妖艶な世界。マテーラを日没前後どちらも楽しむためにマテーラに宿泊することをお勧めします。アンナ・ネリーナさん一押しのホテルは「Hotel Sextantio」ですが、洞窟住居を改装して部屋の中も石灰岩がそのまま利用された内装のホテルがマテーラにはいくつもあり、洞窟ホテルに泊まるのはマテーラならではの体験。次回は是非泊まってみたいものです。
退廃的なムードを漂わせ、街歩きをすれば様々な表情を見せてくれるマテーラ。マテーラが登場する映画「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」の公開も今から楽しみですね。3年ほど前から洞窟群から徒歩20分ほどの位置に電車駅が設立されたことにより、旅行者にとって以前より簡単に行ける身近な街となりました。ナポリからだと国鉄やItaloで4時間弱で行けますので、南イタリアの旅にマテーラを組み入れてみてはいかがでしょうか。
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