映画監督・オペラ演出家フランコ・ゼッフィレッリの博物館、2017年OPEN
こんな立派な建物を裁判所として使っていたなんて・・と、建物の前を通る度に「ああ、もったいない!」と思っていた元裁判所のil complesso di San Firenze(イル・コンプレッソ・ディ・サン・フィレンツェ)。この一階と二階が、昨年7月からイタリアを代表する偉大な映画監督・オペラ演出家のフランコ・ゼッフィレッリの博物館に生まれ変わりました。
フランコ・ゼッフィレッリ氏はフィレンツェ出身で95歳。現在は政治家として活動していますが、約70年に渡ってオペラ演出家、映画監督、脚本家、さらには舞台セットや衣装デザインを手がけ多彩な才能を幅広く発揮し、数々の賞を受賞しました。
<フランコ・ゼッフィレッリの監督作品>
・じゃじゃ馬ならし(エリザベス・テーラー主演)
・ロミオとジュリエット(オリビア・ハッセー主演)
・エンドレス・ラブ(ブルック・シールズ主演)
・ジェイン・エア(シャルロット・ゲンズブール主演)
・ムッソリーニとお茶を(シェール主演)など
「フランコ・ゼッフィレッリ財団、舞台芸術国際センター」と名付けられた博物館は、フランコ・ゼッフィレッリが自身の出身地であるフィレンツェの地に、自らの70年に渡る華麗なキャリアや自身が描いた舞台セット画や手がけた衣装など優れた文化遺産を映画や舞台芸術を愛する人々に公開したいという思いから設立されました。
ゼッフィレッリの舞台セットや衣装デザイン画など300作品以上
博物館のみどころは、300作品以上にのぼる、ゼッフィレッリの描いた舞台や映画セットのデザイン画像、舞台セットの模型、豪華な衣装の数々。
必見はなんといってもなかなか見ることが出来ないザッフィレッリ自ら描いたオペラの舞台セットのスケッチ画像や衣装のスケッチ画像。絵画として成立する素晴らしさで見る人を魅了します。年代順に分けて展示されているので、オペラなどの舞台から、映画へと活躍の場が移行していった様子がわかりやすく表現されています。
オペラ歌手マリア・カラスのオペラとともに。マリア・カラスが着た衣装や当時の映像も紹介されています。
2009年フィレンツェ公演の「PAGLIACCI(パリアッチ)」では舞台芸術と監督を務めています。最初の画像が舞台セットの模型でその下は実際の公演の様子を納めた写真。
こちらはオペラ「トゥーランドット」の衣装や舞台セット画、舞台セット模型を展示している部屋。
オペラ「蝶々夫人」の舞台セット画。松や灯籠もリアルに描かれ日本人が見てもおかしなところが全く無い完成度。きちんとオリジナル文化を理解して描かれていることがよくわかります。
2001年ヴェローナ劇場で開かれたヴェルディのオペラ「イル・トロヴァトーレ)の舞台セット画や模型。2枚めは実際の公演の様子の写真。
日本でもヒットした1968年公開、オリビア・ハッセー主演版「ロミオとジュリエット」では監督と脚本を。ちなみにオリビア・ハッセーは一時、日本の歌手の布施明さんと結婚されていました!
1998年公開、歌手のシェールが主演を務めた映画「ムッソリーニとお茶を」は、ゼッフィレッリ監督の自伝的作品。舞台はフィレンツェでイタリア人の少年とイギリスの婦人たちの交流を描いています。
場所はシニョリーア広場のすぐ近く。映画好き、オペラ好きな人にとっては外せないフィレンツェ観光スポットとなりそうです。館内にはレストランやバールなどもあるので、鑑賞帰りに休憩もできます。
※フィレンツェに住民票のある人限定ですが、毎月最初の日曜日は無料で入館できます。
Fondazione Zeffirelli ONLUS(ゼッフィレッリ博物館)
住所: Piazza San Firenze 5, Firenze
URL: www.fondazionefrancozeffirelli.com/museo/
開館時間: 10〜2月 10:00-18:00 / 3~9月 9:00-17:00
入場料: 10ユーロ
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