イタリアの栗を使ったお菓子と秋の味覚
イタリアのトスカーナ州も秋が深まり、フィレンツェの周囲の山々は美しい紅葉風景が広がっています。この時期はイタリアでもキノコ狩りや栗拾いが楽しめ、週末になると秋の味覚を提供するサグラ(収穫祭、街が開催する食のお祭り)が各地で開かれます。
ところで皆さんはイタリアの栗のお菓子をどれだけご存知でしょうか。日本の栗のお菓子といえば、栗きんとんや栗の渋皮煮や甘露煮。それからモンブランやマロングラッセ、天津甘栗など様々な栗のお菓子があります。イタリアにも栗のお菓子はいくつもあるのですが、日本ではあまり知られていないものがまだまだあります。
最もポピュラーな食べ方は焼き栗
イタリアでの栗の食べ方といえば焼き栗が最もポピュラーです。秋から冬にかけてイタリアを訪れたことがある人なら街角の屋台で売られている香ばしい焼き栗を見かけたり食べたりしたことがあるのではないでしょうか。
私も幼い頃、ヨーロッパが舞台の絵本に出てくる焼き栗を目にして以来ずっと食べてみたかったもので、ミラノで初めて口にした時の感動を今でも忘れません。老舗バールやお菓子屋さんには手作りのつやつやしたマロングラッセも並び、日本同様に人気があります。
栗の素朴な甘さを生かした「CASTAGNACCIO(カスタニャッチョ)」と「NECCI(ネッチ)」
粉上にした栗にオリーブオイルと水を混ぜ、ローズマリーと松の実、レーズンを散らして焼き上げるCASTAGNACCIO(カスタニャッチョ)。砂糖を使わず、栗の素朴な甘みを生かしたシンプルなカスタニャッチョはイタリアの秋の定番お菓子です。どことなく和菓子っぽく、日本茶などにも合いそうな味わいです。大きく焼いて好きな大きさに切り分けられるので、ホームパーティーにも最適。
NECCI(ネッチ)は、栗の粉と水に少量の塩を入れて混ぜた生地を薄く焼いた栗のクレープ。栗のサグラ(収穫祭)などの屋台で見かけるネッチはそのまま食べても美味しいですが、砂糖を加えていないプレーンなリコッタチーズを中に巻くのが定番です。こちらもカスタニャッチョ同様、栗のほんのりした甘さだけのスイーツで、もっちもちの生地が癖になります。屋台ではイタリアのチョコレートとヘーゼルナッツのクリーム、ヌテッラを中に巻いたものも見かけました。他にもバターやはちみつをかけたり、地域によってはベーコンやソーセージを巻いた惣菜クレープバージョンもあるようです。
ポレンタづくしのサグラ、デザートにはしっとりもちもちの栗のポレンタ
冒頭に書いたように、この時期は各地でサグラが開催されます。サグラとは収穫祭といったような意味ですが、ポルチーノやトリュフなどの食材や魚介スープのカチュッコといったような郷土料理をテーマにしたお祭りのようなイベントで、それらを用意するのは町の住民たち。先日はトスカーナのMontemignaio(モンテミニャーイオ)で開催された「ポレンタのサグラ」に出かけてきました。
ポレンタは日本ではあまり馴染みがありませんが、とうもろこしの粉をお粥状に煮た料理でイタリアではポピュラーな料理です。
さて「ポレンタづくしのフルコース」はどんな料理だったでしょうか?ポレンタのサグラの続きはSHOP ITALIAのコラムでどうぞ!→
【食欲の秋到来! イタリア人の大好物「栗」を求めてトスカーナの小さなコムーネ、モンテミニャーイオの収穫祭へ】
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