フィレンツェで道路陥没事故続報、現場は歩行可能に
5月25日の午前6時半頃、フィレンツェ中心部、観光名所ポンテベッキオ(ベッキオ橋)そばの道路が200メートルに渡って陥没しました。こちらの話題については過去のブログポストをどうぞ→「ポンテベッキオのすぐそばで道路200メートル陥没、車20台ダメージ」「フィレンツェ道路陥没続報、イタリア人のユーモアは笑える?」
昨日は土曜日、レギュラー出演しているフィレンツェのFMラジオ局の生放送がありました。自宅からラジオ局までは自転車を利用する事が多いのですが、その場合はいつも「陥没道路通り」を通っていきます。往路は急いでいたために、この通りを避けて一本裏の通りを通りましたが、復路は道路修復の進行具合も気になったので「陥没道路通り」に寄ってみました。車両は通行止めになっていますが、徒歩と自転車は道路の端を通ることができるようになっていました。
シンプルなフェンスで囲んでいるだけなので、間近で事故現場が見えます。私も自転車を押しながら通ってみました。
アルノ川反対岸の美しい街並みと災害現場のギャップが激しく、災害現場がいっそう痛ましく感じます。この辺りは深く陥没していました。水没したり、損傷した車は既に全て撤去されており、水も完全に抜かれた後で地面は乾いていました。
現場には重機が入り、また写真には写っていませんが、水道管用と思われる大きなパイプが何本も山積みされていました。
この日は夜8時半頃にも再びこの通りを通ったのですがまだ工事中で、イタリア人たちも「この時間でも作業しているなんて!」と驚いていたほど。今回の事件は観光名所のすぐそばで起こったこともあり、いつも以上に作業が急いで行われているようでした。
新たな観光スポット?フィレンツェ市民の間でも話題に
前回も書きましたが、この通りは多くの観光客が通る場所です。徒歩通行は可能になっているため、現場周辺はこんな光景になっています。
熱心に撮影する観光客(ちょっとおじさん、口が開いていますよっ!)がここにも・・・
ここにも。みな足を止めて今しか見ることができない新たな「観光スポット」の撮影に余念がありませんでした。
また、ここではイタリア人とアメリカ人観光客の間で面白い会話も繰り広げられていました。アメリカ人の最初の質問は聞こえなかったのですが、おそらく「これは一体どうしたのですか?」と陥没現場についてイタリア人に英語で質問したらしく、それに対するイタリア人の答えに笑ってしまいました。
“ITALIAN STYLE, BOMB!”
「イタリアン・スタイル、ボンム!」って、なんやねん!?と突っ込みを入れたくなるような返事。確かに「BOMB」(=人を驚かすような事件、突発事故、大失敗などの意味)は見事な返事で、あらゆる意味で的を得ていると思いましたが、イタリアン・スタイルとは??でも、なんとなく「こんな世界的観光名所のすぐそばのごく一般的な道路で陥没だなんて想像を絶するし、他の先進国の観光地ではちょっと考えにくいから、そんなところがイタリアっぽいのか?」なんていう皮肉でも込めてるのかしら、と少々意地悪く勘ぐってしまいました。しかしまた、その回答に対するアメリカ人観光客の返事にもびっくりでした。
“AH OK! I UNDERSTAND!”
「ああ、OK!わかったよ!」とのこと・・。思わず、えー何がわかったの?!と聞いてみたくなりましたが、「イタリアン・スタイル」に納得したようです。。。
こちらのアメリカ人観光客のようにたまたまここを通りがかってイタリア人に現場のことを尋ねる人もいますが、フィレンツェでは「あの陥没現場はどこ?」と道案内を尋ねる観光客が増えているようでフィレンツェ市民たちの笑い話のネタになっています。昨夜はイタリア人の友人たちとレストランでディナーだったのですが、食事の後の会話でさっそく、「これからどこに行く?ビールでも飲みに行く?あ、LUNGARNO TORRIGIANI(道路陥没現場の地名)でも見に行く~?(笑)」という会話が起きていました。
復旧のめどはまだ未定
実際に現場を通ってみて実感しましたが、陥没200メートルというのはかなりの規模。想像以上に広範囲に渡って道路が破壊されていました。ただでさえイタリアの道路工事は時間がかかるので、これはまだまだ時間がかかりそうです。新聞報道をチェックしても、具体的な復旧めどはまだ発表されていないようです。これから観光のハイシーズンを迎えるフィレンツェですが、この夏はここを通る観光客には少々残念なニュースになってしまいました。今回の事件さえ起きなければ、この通りからはこんな景色を楽しむことができるんですよ。
ピンク色の夕焼けに染まるフィレンツェ。この通りからはポンテベッキオ(ベッキオ橋)とウフィッツィ美術館を一枚の写真に収めることができます。このロマンチックな景色が当分の間はお預けというのはなんとも寂しいですが、この景色をまた楽しめる日が一日でも早く来ることを願いたいものですね。
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