フィレンツェで毎年、日本映画祭が開催
フィレンツェの共和国広場のすぐ近くにある、CINEMA ODEON(チネマ・オデオン)という美しい歴史的建造物の映画館では、様々な映画イベントを開催していて、日本映画祭も毎年開かれていました。残念ながら今年から開催が無くなってしまったのですが、こちらでも日本映画が日本語オリジナル、イタリア語字幕で上映されていました。私は去年の日本映画祭を訪れたのですが、観客の入りは上々、多くのイタリア人たちが会場を訪れていました。フィレンツェでは日本映画が上映されることはほとんどないため、この映画祭を毎年楽しみにしているイタリア人たちもいました。
イタリア人を爆笑の渦に巻き込んだ日本映画とは?
昨年の日本映画祭では2本作品を観ました。1本目は「舟を編む」。この「舟を編む」は、辞書をつくる人たちの物語ですが、「これぞ、日本社会!」ともいえる、仕事のためには全てを犠牲にする日本人の精神がよく表れた作品。イタリア人には、この日本の精神が理解されないだろうなあと思ったものの、意外にも反応は良く、「素晴らしい内容だった」という声が。「俳優たちの演技がとっても上手」「食べ物が美味しそう」(やっぱり食べ物が気になるイタリア人のようです)などという声も出ていて、私の周りのイタリア人たちはみんな一様にほめていました。さて2本目ですが、これがイタリア人を爆笑させたある日本映画。その映画とは・・・
「変態仮面」にイタリア人が大うけ!
それは変態仮面!広告ビジュアルからして、度胆を抜かれる「変態仮面」。イタリア人の友人たちが「絶対観たい!」というので一緒に観ることに。「日本のイメージがまたおかしな方向にいくのかしら・・」と、少々やれやれと思っていたのですが、これがもうびっくりするくらい大好評。上映中イタリア人たちの大爆笑が止まりませんでした。涙を流して笑っているイタリア人もいるほど。男性だけでなく女性もゲラゲラ笑っていました。日本のユーモアはイタリア人に通じるんですね!みんな感動すらして「日本人はクレイジーだ!」(i giapponesi sono pazzi! = イ・ジャポネージ・ソノ・パッツィ)と大絶賛していました。「こんな内容、日本人しか思いつけない、日本人の想像力は素晴らしい」と絶賛の嵐。きっとこの映画を観て大笑いをした人たちは、日本人に対していい印象を持つと思います。映画は、その国の印象を変える力もある気がします。
日本にはまだまだいい映画が沢山あります。そしてイタリア、世界中にも素晴らしい映画が沢山あります。映画を通じて、世界中の国々がお互いをもっと知り、もっと国境を越えた文化交流ができればいいのになあ・・・と、涙を流しながら笑い転げているイタリア人たちを横目に見ながら、そう思いました。
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