1月10日から13日にかけてフィレンツェで開催された世界最大級のメンズファッション見本市、ピッティ・ウオモ。毎年1月と6月に開催され、今回で103回目を迎えます。これまでコロナ禍の影響を受けてきたピッティ・ウオモでしたが、前回に続いてマスク着用義務もなく、もうすっかり日常を取り戻している雰囲気で、久しぶりに日本人のバイヤーや出展者たちの姿も目にしました。
入場者数は大幅増加の18000人、日本人バイヤーは191人が参加
昨年同時期2022年1月に開催された第101回に比べ全バイヤーの数は210%増加、全入場者数も前回より7000人増えて18000人が来場しました。海外からのバイヤーも増え、ようやく日本人バイヤーたちもピッティウオモに帰ってきました。百貨店からは三越伊勢丹、阪神阪急、和光など、セレクトショップからはBeams、United Arrow、Estnation、Barneys Japan、Shipsなど、191人の日本人バイヤーが参加しました。
ピッティウオモの発表によると三越伊勢丹の二村泰正氏は「多くの人出とポジティブな雰囲気。 以前はピッティ ウオモはもっとクラシックな見本市で、来場者のほとんどがスーツを着ていましたが、今日ではすべてがよりカジュアルになり、人々の性格をよりよく表現しているので、私はこのトレンドが好ましく思います」と今回のピッティウオモの感想を述べていました。
出展ブランドは789で、そのうち4割が海外ブランドでした。
ピッティ初登場、ペット用品コーナー「PITTIPETS(ピッティペッツ)」デビュー
今回のピッティウオモでは初めて、犬と猫を中心としたペット用品を紹介する「PITTIPETS(ピッティペッツ)」のコーナーが設けられ、世界から15のブランドが出展。
犬小屋や犬向けの家具から、豪華な首輪やハーネス、洗練されたマントまで、様々なペット用品がファッショナブルに展示されました。急速に成長しているペット用品市場に注目し、バイヤーやプレスに犬小屋やペット衣料品やアクセサリーがいかにファッショナブルであるかをピッティウオモが伝えるという斬新な試みとなりました。
フィンランドを拠点にするストリートウェアブランド”VAIN”が23-24AWファッションショー
フィンランドのマクドナルドとコラボしたことも話題となったフィンランド発ストリートウェアブランド「VAIN」は、プッチ宮殿で23−24秋冬ニューコレクションをファッションショー形式で発表しました。
2000 年代初頭のフィンランドの田舎を舞台とし、インターネットやソーシャル メディアがこの世を支配する以前の時間と場所に戻って、音楽、映画、ポスター、ビデオ ゲーム、年上の兄弟たちがインスピレーションと情報の源だった時代を表現したコレクションを展開。
ファッションスクールの生徒たちによる「10年のサステナブル」をテーマにしたコレクション
フィレンツェ郊外のポンテデーラに拠点を置く、ファッションスクール「Modartech(モーダテック)」では、10年の持続可能性をテーマにした学生たちのコレクション発表会が、ピッティウオモの期間にあわせてフィレンツェのThe Social Hubで開かれました。
若い才能ある学生たちが廃材のリサイクルや自然由来の植物タンニンで染めたレザーなどを使ったユニークなアイテムを制作し、環境に優しい未来に向けてファッションを通してメッセージを伝えていました。
2023-24年秋冬メンズファッションのトレンドは?
気になる来年の秋冬のトレンドですが、ピッティウオモ全体的に、アーカイブからの復元と再編集といったルーツに戻るムードやクラシックスタイルへの復活が見られました。
カラフルなトータルルックやニットウェア、オーバーシャツやカーディガンなどのトレンドが見られ、引き続きサステナブルへの関心がますます高まりを見せていました。
会場からピッティ・ウオモを盛り上げる参加者たちのファッションスナップをお届け
暖冬となった今年は、開催中も連日暖かく天候にも恵まれたため、「ピッティ・ピープル」と呼ばれる、ファッション愛好者たちが数多く来場し、会場の各所でファッションスナップ撮影も行われていました。そんな華やか雰囲気に包まれた会場で見かけた参加者たちのスナップをご覧ください。
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このコラムは連載しているイタリア情報サイト「SHOP ITALIA」で掲載されたものです。
【日本人バイヤーたちが帰ってきた、ピッティ・ウオモ第103回/2023年1月開催】
◆「SHOP ITALIA」のでコラム連載しています。過去の記事もこちらからどうぞ♪
コラム一覧はこちら→ https://shop-italia.jp/author/mako-kobayashi
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