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トスカーナで温泉三昧はいかが。美しい景観も魅力の露天温泉3選

2020/10/27

トスカーナで温泉三昧、サトゥルニア温泉

トスカーナで温泉三昧はいかが。美しい景観も魅力の露天温泉3選

「日本人としていかがなものか」と眉をしかめられそうですが、実は日本にいた時は温泉にあまり興味はなく、温泉どころか家で湯船に浸かることすら面倒に思うくらいでした。しかし、イタリアに来て一変。無い物ねだりとはこのことで、イタリアでバスタブがない家に住んでいるため湯船に浸かることが恋しくなってしまう始末。実はイタリアには湯船の無い家は沢山あるんです。数年前に引越し先を探してフィレンツェ中心街のマンションを十数件見て回ったことがありますが、そのうちなんと1軒しか湯船付きの部屋はありませんでした。

イタリアでは、日本の「和式トイレから洋式トイレへ改装」のCMの感覚で、「バスタブからシャワーボックスへ改装」という広告をよく目にします。日本人からは考えられない広告だなと思いますが、そんな広告が一般的なほど、イタリアではシャワーのみというのはごく普通です。

そんなわけで、イタリアに来てからの方が温泉熱が高まっているのですが、イタリアにも温泉が沢山あるのをご存知でしょうか。古代ローマ人が温泉好きだったことはヒット漫画「テルマエ・ロマエ」でもご存知でしょうが、過去には温泉ブームも起きており実は温泉大国なのです。

今回ご紹介するのは、温泉の中でも私がこれまで実際に行って「これはお勧めしたい!」と感じた、トスカーナの天然の露天温泉3選です。屋外で誰でも自由に、しかも無料で楽しめる秘湯はこちら。

森の中でワイルドに温泉を楽しむ、Bagni San Filippo(バーニ・サン・フィリッポ)

今年7月に訪れたばかりのバーニ・サン・フィリッポ。SNS上でたまたま見かけた、まるでオブジェのような巨大な石灰岩の写真に「何、これ〜?!」と魅せられて週末に訪れることにしました。場フィレンツェから車で2時間ほどですが、ローマからも車で2時間20分ほどで着くため、ローマからの訪問者も沢山見かけました。

日本なら、こうした多くの人が訪れる天然温泉にはある程度の着替えルームやコインロッカーなどの施設を建てて有料になりそうなものですが、ここはイタリア。車がないとなかなかたどり着けない場所なので、さすがに有料駐車場が周辺に用意されていますが、それ以外はなにひとつ施設はなく、完全無料。コロナの影響で入り口にスタッフがいて、温泉利用時の注意事項とマスク着用についての指示を受けましたが、それ以外は何もありません。

温泉に入るまでの道のりも舗装されておらず砂利や木の枝などが多く、上り下りのある道のりが続きビーチサンダルだと危ないので、スニーカーなどで行く必要があります。イタリアの場合は屋内温泉でも水着着用が普通ですが、ここも水着使用での利用になります。

森の中を歩いていくと、突如目の前に現れるのがFosso Bianco(フォッソ・ビアンコ)=白いクジラです。私がこの温泉に来るきっかけになった写真に写っていた巨大な石灰岩で、白いクジラの大きな口のように見えるため、このような名前がつけられています。

このスポットが一番人気の場所で多くの人で賑わっていましたが、実は穴場はその先にあります。イタリア人の中でも「その先には行かなかったから知らなかった〜」という人たちもいますが、この温泉は白いクジラより後にも下流に温泉が続き、途中にいくつもの露天風呂状態のスポットがあるんです。

私はその先で誰もおらず貸し切り状態を楽しめる場所を見つけて、そこに浸かることにしました。水の流れが早いところは天然のジャグジー状態で気持ちよく、冬にはぬるいと感じそうな水温でしたが、夏にはちょうど良く温水プールのような感じで長く浸かっていられました。

日本と同様に最初は硫黄の匂いを感じましたが、時間の経過とともに気にならなくなります。この温泉には泥が豊富にあるのでクレイパックを楽しむイタリア人たちも多く、男女ともに体や顔に塗りたくっていました。

ただ、要注意なのはここにはシャワーがないということ。イタリア人たちはそんなこと気にせず髪の毛にも泥パックをしていましたが、水できれいに洗い流すことなく帰路につくことになるので、うっかり髪の毛につくとゴワゴワに。私はうなじ付近を濡らしてしまいましたが、それだけでも、シャワーで2度洗いしても完全に落ちなかったほど手ごわかったです。

ここがあまりに気に入ってしまい、近くのホテルに宿泊して2日連続で入湯を楽しんでしまいました。温泉テーマパークにように場所を移動すれば、また違った景色&雰囲気で温泉を楽しめるのも魅力で、いつか秋から冬にかけても行ってみたいと思いました。

圧巻の美しさを誇るTerme di Saturnia(テルメ・ディ・サトゥルニア)

続いてご紹介するのは、フィレンツェから車で3時間ほど、ローマからは2時間20分ほどで到着するTerme di Saturnia(テルメ・ディ・サトゥルニア)=サトゥルニア温泉。

ここを訪れたのは少々昔で4年前の2016年8月末なのですが、今でも最初に目にした時の感動を覚えています。そのくらい、見た目にも美しい露天温泉なんです。

サトゥルニア温泉の名前の由来は、ローマ神話の農耕の神サトゥルヌス。この温泉の起源はローマ時代よりさらに古いエトルリア時代にまでさかのぼり、古代ローマ人たちも楽しんだというサトゥルニア温泉。ここの魅力は何重にも重なった石灰棚による美しい景観です。こんな素敵な温泉が無料で誰でも気軽に入れるとは驚きですね。

温水の温度は37.5度と日本人にはぬるめですが、訪れたのはまだ暑い8月末。温水プールの感覚でお湯に浸かることができました。バーニ・サン・フィリッポと同様、ここでも豊富に泥があり、クレイパックを体や顔に塗ってアバター状態になっている人を多く見かけました。

若干気になったのは、バーニ・サン・フィリッポよりも小さな赤い糸ミミズがかなり多く、人によっては気になるかもしれません。糸ミミズについては時期によって異なるかもしれませんのでなんとも言えませんが、それさえ気にならなければゆっくり好きなだけお湯に浸かってのんびりすることができます。

上流や下流は川のような状態になっており、川遊びの感覚で温泉を楽しむ人たちもいました。

雄大な大自然を満喫しながら楽しめる足湯、Bagno Vignoni(バーニョ・ビニョーニ)

最後にご紹介するのは、オルチャ渓谷にあるBagno Vignoni(バーニョ・ビニョーニ)。フィレンツェから車で2時間ほどで着くこの場所へは過去に2度訪れているのですが最後に訪れたのが2016年7月下旬。

ここも歴史は古くエルトリア時代にまで遡り、古代ローマ人、フィレンツェを繁栄に導いたメディチ家などにも愛されてきた温泉です。

この街の中心地にはpiazza delle sorgenti(ピアッツァ・デッレ・ソルジェンティ)=源泉の広場があり、プールほどの大きさの浴槽があります。16世紀につくられたこの浴槽には現在は入ることはできませんが、ケッパーの緑が水面に映りとても美しくリラックスできる場所です。

ちなみに、この浴槽は旧ソ連のアンドレイ・タルコフスキー監督による1983年製作の映画「ノスタルジア」にも登場しています。

温泉は街中に広がる水路を通り、見晴らしの良い遺跡場所へと流れていきます。ここでは温泉水路が足湯として有効利用され、大自然に囲まれながら足湯を体験できます。

源泉から距離があるので、温度はぬるいですが、イタリアで足湯体験なんてユニークじゃないでしょうか。

ここから見渡すオルチャ渓谷では、アカデミー作品賞を受賞している映画「グラディエーター」や「イングリッシュ・ペイシェント」などが撮影されています。

世界遺産になっている美しいオルチャ渓谷の観光と組み合わせて温泉三昧を

豊かな自然に囲まれたワイルドなイタリアの温泉体験いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した3つの温泉のうちバーニ・サン・フィリッポとバーニョ・ビニョーニは、美しい田園風景が有名で世界遺産にもなっているオルチャ渓谷内にあるので、オルチャ渓谷観光に組み合わせて訪れるのがお勧めです。

残念ながら3つの温泉地とも交通の便が悪いため、訪問手段は車移動になりますが、ここでしか味わうことができない、日本とはまた一味違った温泉体験ができますよ。

このコラムはイタリア情報サイト「SHOP ITALIA」で掲載になったものです。
【トスカーナで温泉三昧はいかが。美しい景観も魅力の露天温泉3選】

◆「あがるイタリア」&「SHOP ITALIA」のでコラム連載しています。過去の記事もこちらからどうぞ♪

コラム一覧はこちら→ https://shop-italia.jp/author/mako-kobayashi

Mako Kobayashi

フィレンツェ在住、元静岡朝日テレビ報道記者。2012年からフィレンツェ在局FMラジオにレギュラーパーソナリティーとして出演中。「地球の歩き方」フィレンツェ&トスカーナ現地調査担当。「婦人画報」「フィアットジャパン」「イタリアニティ」「イタリア好き」等でイタリア関連記事執筆。J-WAVE「ACROSS THE SKY」、 JFN系列FMラジオ「ON THE PLANET」出演。イタリア革バッグブランドTuscany Leatherの日本代理店&オンラインショップ「アミーカマコ」経営。イギリス留学、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校留学、海外40ヶ国&イタリア19州周遊。詳しいプロフィールはこちら。

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カテゴリー: LIFE, TRAVEL, イタリアの旅行情報, イタリアの暮らし 作成者: Mako

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