1月11日から13日にかけて世界最大級のメンズファッション見本市ピッティ・ウオモがフィレンツェのバッソ要塞にて開催されました。ピッティ・ウオモはフィレンツェで毎年1月と6月に開催されており、今回で101回目となります。前回の6月と同様に、コロナ禍での開催のためピッティ・ウオモは会場の規模を大幅に縮小し第94回ピッティ・ビンボ(キッズファッション見本市)と同時開催になりました。
今回開催された時期は、イタリアにおいてコロナの新規感染者数が過去最多の20万人超えの大流行中時期と重なったため、ほとんどのピッティ関連のイベントが開催直前で中止となりました。1982年にアントワープで誕生したブランド、アン・ドゥムルメステールがスペシャルゲストとして12日にファッションショーを開く予定でしたが、こちらも中止に。また、開催直前で毎年参加しているイタリアブランド・ブルネロ・クチネリがコロナ感染拡大のために出展を取りやめました。注目イベントも大きな話題もない中での開催となったため、ジャーナリストの数も過去に例を見ないほど少なく、通常は多くの記者たちで賑わうプレスルームも誰一人いない状態になるほどでした。
そしてなによりも寂しさを感じたのはパビリオン内。過去に例がないほど閑散としており、多くのブースに人がおらず、商談をしていないところがあちこちで目につきました。
前回同様コロナ感染防止対策が各所に、ワクチン未接種者は入場不可
コロナ新規感染者数が過去最多となっていても、大型展示会イベントの開催が認められているイタリアですが、開催及び参加にはいくつかコロナ対策が義務付けられています。
入場に際してはスーパーグリーンパス(「ワクチン接種済み証明」または「コロナ治癒証明」)の提示が義務付けられました。前回6月には認められていた「48時間前のコロナ陰性証明書」は、今回は認められません。つまり、ワクチン未接種者については入場できません。
また会場入口前には体温チェックを行うための通路が取り付けられました。少々物々しい雰囲気のため、「ここを通るのはなんかちょっと怖い感じがするわね」と他の来場者たちが話しているのを耳にしました。
また、前回は「マスク着用」という指示だけでしたが、今回は「FFTTP2マスク着用」とマスクの種類も指定され、常にFFTTP2マスク着用が義務付けられました。
コロナ大流行中という困難な状況の中での開催、それでも540ブランドが出展、8000人が来場
ピッティ・ウオモの運営協会ピッティ・イマジネの発表によりますと、今回の第101回ピッティ・ウオモに出展したブランド数は540ブランドで、このうち約3割を占める151ブランドは外国ブランドでした。オンライン取引のプラットフォーム「ピッティ・コネクト」のみの参加は37ブランドでした。一方、ピッティ・ビンボに出展したのは170ブランドでした。
また、期間中の来場者はバイヤーが約4900人。そのうち3割が諸外国60カ国からの訪問でした。サプライヤーやジャーナリストなどその他の来場者を含めると、総来場者数は約8000人。コロナ禍直前の2020年1月に開催されたピッティ・ウオモ第97回の36000人と比べると2割強程度、コロナ禍がもたらした影響の大きさがよくわかります。
コロナ新規感染者数が20万人超え、巷では「ピッティ・ウオモ101回って中止じゃないの?」と囁かれるほどの困難な状況での開催でしたが、それでも540ブランドが出展、約8000人が来場し、大きなトラブルもなく終了したのは、前回の開催と同様にファッション業界やイベント業界などに希望を与えたのではないかと思います。「次回こそは通常通りの開催になりますように・・」と関係者全員の願いがこめられる次回のピッティ・ウオモ第102回は今年6月14日〜17日に同会場にて開催される予定です。
最後に、ピッティ・ウオモ恒例の「ピッティ・ピープル」たちのスナップ写真をお届けします。数は少なかったですが、それでも彼らの華やかな存在は今回のように閑散とした会場の雰囲気を盛り上げていました。
”ピッティ・ピープル”は健在!会場から最新スナップをお届け
このコラムはイタリア情報サイト「SHOP ITALIA」で掲載になったものです。
【コロナ大流行中に開催されたピッティ・ウオモ第101回/会場からスナップ写真をお届け】
◆「あがるイタリア」&「SHOP ITALIA」のでコラム連載しています。過去の記事もこちらからどうぞ♪
コラム一覧はこちら→ https://shop-italia.jp/author/mako-kobayashi
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